バリュエーションの理論と実務

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バリュエーションの理論と実務

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  • サイズ A5判/ページ数 447p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784532135232
  • NDC分類 336.83
  • Cコード C3033

出版社内容情報

バリュエーション(企業価値評価)とは、特定の会社自体の価値やその株式の価値を算出する手法。日本にはM&Aが盛んになり始めた20世紀末に導入され、瞬く間に定着しました。M&A、TOB、事業承継、事業分割において不可欠なデータを提供するバリュエーションですが、つぎはぎで導入されたこと、司法の理解が追いつかなかったこともあって様々な面で解釈の誤り、恣意的な運用といった歪みが生じています。最高裁の決定も実務の慣行とかけ離れたものが散見され、実務家は最高裁に振り回されている状況にあるのです。
 例えば、アートネイチャーとJCOMの判決内容は結論部分が類似していて、算定された価格について裁判所は判断しないというスタンスをとっています。そのため、当事者にとっては、自己に都合の良い株式価値算定書が入手できれば、有利な判決を受けやすいという状況に現状はなりつつあります。このスタンスが踏襲されてしまうと、市場メカニズムが十分に機能せず、日本のガラパゴス化は不可避です。実務家は企業価値を計算するだけでは済まされない。どこが落とし穴になりかねないのかを理解する必要があるのです。
 バリュエーションが裁判で争点となる場面としては、次の4つが想定されます。
(1)M&Aにおいて反対株主が株式の買い取り請求権を行使して「公正な価格」で買い取ることを会社に請求する場面
(2)株式ファイナンスにおいて発行価額が特に低い時に株主総会の特別決議を経る必要がある場面
(3)非公開会社の譲渡制限株式について株主が譲渡承認請求をする場面
(4)新株予約権の評価
 これらは、大企業のみならず中小企業にも生じうるものです。本書は、企業価値評価の実務家、ファイナンス研究家、会社法研究家がタッグを組んで、実践的な知識の向上を図り、司法の歪みを正し、国際的に標準の解釈を示す問題提起の書。執筆者の多くは、様々な裁判で意見書を求められており、日本の特異な状況に危機感を抱いています。
 バリュエーションそのもの解説書は、入門レベルから専門書まで数多く刊行されていますが、日本においてどのような問題が存在し、実務上何に注意すべきかといった観点からの解説はなされていません。バリュエーションは目次にあるように非常に幅広い分野をカバーしているため、単独の筆者では問題提起を含んだ解説は不可能です。

内容説明

実務の現場において、実務家の一部が自分たちに都合の良い結論を導くために、背景となる理論の一部をつまみ食いして使っており、企業価値評価実務の全体を通してみると、必ずしも理論的一貫性がとれていないのではないかという懸念がある。本書は、このような懸念を踏まえて、その背景となる理論の前提との整合性や、実務上の運用において評価者に許容される裁量の範囲について、法学、経済学、金融経済学、会計学の研究者に加えて、企業の合併・買収(M&A)の専門家である法務分野、および実際の企業価値評価に携わる実務家が、裁判などで争われているような論点を取り上げ、そこで当事者が引用している理論の妥当性や問題点を検証するものである。

目次

第1部 日本のバリュエーションをめぐる課題(M&Aやファイナンスにおけるバリュエーションの実務と課題;会社裁判におけるバリュエーションの課題)
第2部 M&Aにおけるバリュエーションの実務(M&Aのプロセスとバリュエーション;わが国のM&Aにおけるバリュエーションの実務)
第3部 会社裁判における問題点(日本の会社裁判におけるバリュエーションに関する法的論点;米国・デラウェア州の会社裁判におけるバリュエーションの争点)
第4部 バリュエーションの理論:インカム・アプローチ関連(インカム・アプローチの基礎;特殊なバリュエーションに関する理論 ほか)
第5部 バリュエーションの理論:インカム・アプローチ以外の手法(マーケット・アプローチ;コスト・アプローチ ほか)

著者等紹介

鈴木一功[スズキカズノリ]
早稲田大学商学学術院経営管理研究科(早稲田大学ビジネススクール)教授。東京大学法学部卒業、欧州経営大学院(INSEAD)MBA、ロンドン大学(ロンドン・ビジネススクール)Ph.D.(ファイナンス)。専門はコーポレートファイナンス、コーポレートガバナンス、企業価値評価。富士銀行(現みずほ銀行)にてM&Aの企業価値評価モデル開発等を担当。中央大学国際会計研究科を経て、2012年より現職。日本ファイナンス学会理事、証券アナリストジャーナル編集委員、みずほ銀行コーポレートアドバイザリー部外部アドバイザー。著書・論文多数

田中亘[タナカワタル]
東京大学社会科学研究所教授。博士(法学)(東京大学)。1996年東京大学法学部卒業後、同大学大学院法学政治学研究科助手、成蹊大学法学部准教授、東京大学社会科学研究所准教授等を経て、2015年より現職。10年シカゴ大学ロースクール客員准教授。過去に、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会幹事、金融審議会監査部会臨時委員、スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会メンバー、公正なM&Aの在り方に関する研究会委員などを務める。専門は、商法、会社法、法と経済学。著書・論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nekozuki

6
バリュエーションの理論的な位置付けと裁判における考え方、新株予約権のバリュエーションなど、その他のバリュエーション実務書対比ではよりアカデミックとリーガルを意識した分析になっている。着眼点が類書とは異なり、また実務家においても必ずしも知見が共有されていない点が多いものと思われるため大変参考になった。2023/11/17

pikka_bookk

0
少しずつ理解できるようになったけど、やはりマニアックすぎて難しい。バリュエーションの各種論点について詳細に検討しているので、業務で不明点があった際に教科書的に必要に応じて参照したい。2024/06/28

pikka_bookk

0
会社裁判の実例が紹介されている。かなりマニアック。2024/01/22

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