日本 戦争経済史―戦費、通貨金融政策、国際比較

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日本 戦争経済史―戦費、通貨金融政策、国際比較

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  • サイズ A5判/ページ数 293p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784532135157
  • NDC分類 393.7
  • Cコード C3033

出版社内容情報

「先立つもので苦労した戊辰戦争」「対露戦争準備という陰のテーマがあった日清戦争」「財政の持続可能性という面で危機にあった大正期の軍備拡張」――。
 出兵をすると経費が発生する、それゆえ議会の承認をえなくてはならない。戦争には輸送費、弾薬費諸々のコストが発生するため事前の見積もりが欠かせない、その上そのコストをどのように調達するかは国家にとって難問だ。また対策は、戦費調達という財政面に止まりません。国内資金の吸い上げ、償還を効率的に進めるインフレ政策など金融政策も対になります。第1次世界大戦時のクレマンソー仏首相が述べたように「戦争は将軍だけに任せておくにはあまりに重大な事業」。戦争はマクロ経済学の視点から分析されるべき対象なのです。
 このように戦争と経済は切っても切れない関係であるにも関わらず、日本では正面から分析されては来ませんでした。戦前は机上の空論の統制経済論で終始し、戦後は実証分析を牛耳ったマルクス経済学者が戦争をネガティブな存在とし、経済問題としてとらえることは論外だったのです。同様に戦史研究はアカデミックな世界では戦後長らく等閑視される一方、戦史研究家は経済への関心が薄く、戦争と経済という枠組みでの研究成果はわずかに松方財政、金解禁、高橋財政などの政治史アプローチのものがあるだけでした。
 本書は、戊辰戦争から太平洋戦争までの日本が直面した戦争をマクロ経済面から分析する初の書。本書のアプローチは(1)日本の明治・大正・昭和(戦前)を通した戦時経済政策の主軸をインフレ政策にあると捉える、(2)戦争を数字で把握する(戦費、国力(GDP、財政・金融)、動員兵力)、(3)数字で国際比較を行う(明治・大正期の国力の国際比較)というもの。「経済と戦争」という問題設定で日本が経験したすべての戦争を分析する。

内容説明

日本はいかにして戦争経済をマネジメントしたのか。戦争は経済的に見ると、政府による大規模な消費活動である。交戦国は経済活動によって生産した付加価値を戦争遂行に利用する。こうして軍は兵士を養い、弾薬や燃料を消費し、兵器を調達する。本書は、戊辰戦争から太平洋戦争まで日本が直面したすべての戦争をマクロ経済面から分析する初の書。明治・大正・昭和(戦前)を通した戦時経済政策の主軸を通貨金融政策にあると捉え、戦争を数字で把握(戦費、国力、動員兵力)し、国際比較を行う。

目次

序章 近代の戦争と戦費
第1章 日本の戦争経済の座標軸:理論的背景と国際比較
第2章 戊辰戦争:過渡期の戦時通貨金融政策
第3章 西南戦争:不換紙幣による戦費調達
第4章 日清戦争:戦時通貨金融政策の原型
第5章 日露戦争:戦時通貨金融政策の完成形
第6章 第1次世界大戦・シベリア出兵:曲がり角の戦時通貨金融政策
第7章 日華事変・太平洋戦争:戦時通貨金融政策の最終形
終章 戦費の終焉:戦費借入れの戦後処理

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さすらいの雑魚

38
日本の戦時経済財政を戊辰から第二次大戦まで俯瞰し他国と比較した書。なかなかの歯応えだがボクにとって新しい知見も多く良書認定。信用ゼロの新政府にあって戊辰戦争の戦費を不換紙幣発行で確保した由利公正の天才と剛腕は驚きでした。大規模戦争後は基本デフレというのも新しい認識。ドイツのハイパーインフレや日本の戦後が特殊例らしい。戦時の生産拡大の後では物余り=デフレが基本って事と理解。つまりコロナ禍後は生産力や貨幣価値の維持に心配無い先進国はデフレ不況に突入となりインフレ懸念の世評とはズレが。答えは数年後のお楽しみ♪2021/07/27

26
財政的な裏付けをまったくもたないまま行われた戊辰戦争から、経済力で10倍以上もある相手との総力戦である太平洋戦争までを経済から俯瞰した書。政商からの個人借入が国内外からの国債に変わっていく。人の命は経済の損得勘定に入らないので、この本でも人的損害については全く触れておらず、そこがもやったりもやらなかったりという感じ。日本は新興国だったので、戦費の長期借入も金融緩和に依存するしかなく、戦後インフレもあって国の債務全体に埋没希釈されてきた。大蔵省が国債は戦後インフレで雲散霧消したって言っちゃうのすごい。2024/01/06

俊介

16
2021年刊。著者は防衛省防衛研究所・特別研究官。戊辰戦争から太平洋戦争まで、日本が経験した一連の近代戦争を、財政・金融的側面から振り返る。時の政府はそれぞれの戦争費用をどうやって工面したのか?つまりカネ勘定の話だ。膨大な資料をもとに、詳細な数字が整理された本格的論文である。国際比較もなされ、客観的にはなっている。ただ注意が必要なのは、カネ勘定を見てるだけでは戦争の悲惨さも見えてこないし、何より戦争の「本質」が覆い隠される。そういう限界はあるが、戦争というものを考える上で参考になる視点なのは確かだろう。2021/10/14

masabi

11
【概要】戊辰戦争から太平洋戦争まで日本の戦争を経済の視点から読み解く。【感想】日本が近代国家になるにつれて戦費は莫大なものになり、その調達も豪商という個人からの借り入れを離れて金融システムを通じて内外から国債による調達にシフトする。国際金融から切り離された後は自給自足体制になるが。内にあっては貯蓄奨励により民間から資金を吸い上げ、外では信用を積み上げる。太平洋戦争は占領地の富を経由して国力以上の債務を残したが戦後のインフレで圧縮された。2022/07/07

エジー@中小企業診断士

10
日本の戦争経済マネジメント論。戦争は経済的には政府による大規模な消費活動である。戦費はマクロ経済的には同時期に生産された付加価値を消費していることになる。戊辰戦争(1868)=過渡期、西南戦争(1877)=不換紙幣による戦費調達、日清戦争(1894)=戦時通貨金融政策の原型、日露戦争(1904)=完成形、第1次世界大戦・シベリア出兵(1914/1918)=曲がり角、日華事変・太平洋戦争(1937/1941)=最終形。現在も未返済の戦費も昭和21年度GNPの12%に相当したが令和元年度GDPの0.007%。2025/09/11

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