労働時間の経済分析―超高齢社会の働き方を展望する

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労働時間の経済分析―超高齢社会の働き方を展望する

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  • サイズ A5判/ページ数 359p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784532134518
  • NDC分類 366.32
  • Cコード C3033

出版社内容情報

現代日本人の働き方に関する事実や問題を、個票データを用いた緻密な分析によって幅広く検討した上で、今後の働き方はどうあるべきかを論じる労作。わが国労働市場分析の本格的決定版。

内容説明

「効率的に非効率なことをする」慣習は改まるか?高齢化が進むなか、グローバル競争に勝ち抜くには何が必要か。現代日本人の働き方に関する事実や問題を個票データを用いた緻密な分析によって幅広く検証し、「長時間労働には一定の経済合理性が存在する」「多くの仕事に過度なサービスを要求する非効率が常態化している」「周囲の環境次第で働き方は変えられる」などの知見を導いた労作。

目次

第1部 日本人の働き方(日本人の労働時間はどのように推移してきたか―長期時系列データを用いた労働時間の検証;労働時間規制と正社員の働き方―柔軟な働き方と労働時間の関係;長時間労働と非正規雇用問題―就業時間帯からみた日本人の働き方の変化;日本人は働きすぎか―国際比較や健康問題等からの視点)
第2部 労働時間の決定メカニズム(日本人は働くのが好きなのか―仮想質問による希望労働時間の計測;労働時間は周囲の環境の影響を受けて変わるのか―グローバル企業における欧州転勤者に焦点を当てた分析;長時間労働は日本の企業にとって必要なものか―企業=従業員のマッチデータに基づく労働需要メカニズムの特定)
第3部 日本人の望ましい働き方の方向性(ワーク・ライフ・バランス施策は企業の生産性を高めるか―企業パネルデータを用いたWLB施策の効果測定;ワーク・ライフ・バランス施策に対する賃金プレミアムは存在するか―企業=労働者マッチデータを用いた補償賃金仮説の検証;メンタルヘルスと働き方・企業業績の関係―従業員および企業のパネルデータを用いた検証)
統計データappendix

著者等紹介

山本勲[ヤマモトイサム]
1970年生まれ。93年慶應義塾大学商学部卒業、95年同大学大学院修士課程修了、2003年ブラウン大学経済学部大学院博士課程修了・博士号取得。95~2007年日本銀行(調査統計局、金融研究所などで経済分析に従事)。07年慶應義塾大学准教授を経て、慶應義塾大学商学部教授

黒田祥子[クロダサチコ]
1971年生まれ。94年慶應義塾大学経済学部卒業、99年青山学院大学大学院修士課程修了、2009年慶應義塾大学大学院博士号取得。94~2006年日本銀行(金融研究所で経済分析に従事)。06年一橋大学助教授、09年東京大学准教授、11年早稲田大学准教授を経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

17
日銀出身のエコノミストらによる実証分析。脚注、データ豊富。不況期の残業調整のために平時から労働者に残業要請すること残業の糊代(バッファー)説という(37頁脚注22)。内部留保の労働時間版とも言えるかも。非正規の深夜化(79頁~)。正規に就けない労働者が止む得ず、深夜や早朝の非正規職で糊口という解釈(85頁)。どうしたら不足分を補てんするか。こればかり考えねばならず、非正規人生は過ごせない。 2014/12/10

koji

6
労働時間は、アベノミクスの成長戦略の一つ、何より企業の時間当たり生産性向上の鍵概念です。私の実感と本書の結論は概ね整合的です。そして何よりコラムが参考になります。「江戸時代の手代の働き方が現代の正社員のルーツ」、「日本は一律「休日」と定めることで多くの人が安心して休みをとっている」、「日本の職場を離れて初めて長時間労働を認識するようになった」、「英国では定時で仕事を終え、同僚と飲みに行き短時間コミュニケーションを図るスタイル」、「日本の根回しは英独の倍以上」等。学術書ですが、ビジネスマンにお勧めします。2015/01/02

まろにしも

5
★★★★★ 長時間労働の是正が社会で話題になっており、非常に興味深く読んだ。労働の固定費が大きく、雇用を守ることに重きがおかれる日本的経営のもとでは、好況・不況の波があっても雇用人員数で調整せずに、労働時間で調整する誘因があり、失業率を抑制するという意味では経済的合理性があるものの、不効率な長時間労働も存在し、その要因について、納得しながら読み進めた。素晴らしい良書であった。2016/12/31

hurosinki

3
大規模な個票データやパネルデータを用いていることが本書の最大の特長と言える。良質なデータにまともな分析手法が組み合わさった手堅い実証研究。パネルデータで時間不変の特性をコントロールできるのは強い。 第一部は労働時間の変化の把握(1〜4章)、第二部は労働時間を規定する要因の検討(5〜7章)、第三部はワークライフバランスの実現に向けた方策の考察(8〜10章)という3部構成。 近年の平均労働時間の減少はパートタイマーが増えていることによるもので、フルタイム労働者では依然として長時間労働が続いている(第1章)。2023/03/31

Ryota

3
日経の賞を受賞しただけあり、テーマが今日的で、データの分析や主張の整合性がしっかりしている。日本人は労働時間が長く、生産性が低い。労働1時間あたりのGDPではアメリカ100に対し、日本は66である。これには経済合理性、労働者の交渉力、ピア(同僚)効果、細部にこだわる、根回しの時間が長い、仕事大好きという国民的選好が影響する。しかし、海外赴任すると労働時間が短くなるらしい。これが、意見ではなく、事実で示されているところが凄い。今後は、顧客満足につながるところにもっと時間を使うことが必要という主張に納得。2015/01/04

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