「失われた20年」と日本経済―構造的原因と再生への原動力の解明

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  • サイズ A5判/ページ数 321p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784532134112
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C3033

内容説明

バブル崩壊後の長期停滞で、われわれは何を失ったのだろうか。マクロ経済全体や対外不均衡、生産性、成長率などについて需給両サイドを考慮した分析、国際比較、マクロデータだけでなくミクロデータを活用するなど、総合的視点から日本経済のパフォーマンスを幅広く検討し、停滞脱出に向けて何をすべきかを問う渾身の力作。

目次

第1章 低成長の構造的原因―貯蓄超過と投資減速(需要不足と低成長;供給側からみた長期停滞 ほか)
第2章 生産性停滞の原因―産業レベルの分析(産業別の生産性動向;ICT投資の動向 ほか)
第3章 経済の新陳代謝機能の停滞と企業間の生産性格差拡大(日本の生産性停滞―製造業における工場レベルの分析;日本の生産性停滞―非製造業における企業レベルの分析 ほか)
第4章 再生の原動力(どの産業で雇用が創出されたか;所有形態と雇用創出・喪失 ほか)
終章 停滞脱出への方策

著者等紹介

深尾京司[フカオキョウジ]
1956年生まれ。79年東京大学経済学部卒業、84年同大大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。一橋大学経済研究所助教授、イェール大学客員研究員、ボッコーニ大学客員教授、内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官等を経て、一橋大学経済研究所教授。一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」代表、内閣府統計委員会委員、文部科学省科学技術政策研究所第一研究グループ客員総括主任研究官、経済産業研究所プログラムディレクター、アジア歴史経済学会(AHES)会長、ウォーリック大学CAGE研究員、フローニンゲン大学マディソン・プロジェクト顧問、世界産業連関表データベース(WIOD)プロジェクト専門委員、Comparative Analysis of Enterprise Data(CAED)執行委員等を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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koji

1
「失われた20年」を実証研究した2012年日経・経済図書文化賞受賞作。「『工業統計調査』や『法人企業統計調査』の長期パネルデータ分析は、7-8年前にはほとんど夢のような話であり、経済産業研究所、一橋大学、慶應義塾大学等におけるデータ整備で初めて可能になった」との言葉どおり労作です。拾い読みで終わりましたが、結論はデフレの原因の需要不足と生産性上昇停滞の処方箋はICT投資加速、新陳代謝、国内回帰、対日直接投資・無形固定資産投資拡大にあるといいます。概ね納得しましたが国内回帰は困難というのが私の見立てです。2013/05/15

Kenji Ogawa

1
日本に欠けているもの。それは、非製造業におけるICT投資、組織資本の改編やオフ・ザ・ジョブ・トレーニングなどの経済的な競争力分野での無形資産投資、中小企業における研究開発。それよりも先ずは貯蓄過剰問題。金融緩和を行っても、行きつく先は「バブル造成」。2012/12/17

AEVIN

0
日本の失われた20年についての経済学的な記述。ミクロなデータをつなぎあわせて分析することで、対抗仮説を排除していくのはとても勉強になる。怪しい経済書ではなく、これが週刊東洋経済2012年ベスト経済書だという点にはややほっとする。じゃあ、日本企業が「なぜ」や「どうやって」という点は、これからの課題だろう。ミクロな検証を進める著者とちゃんとした経営学者が一緒に書く本を読んでみたい。2016/02/29

disktnk

0
バブル崩壊後,90年代から現在までのいわゆる「失われた20年」で,何が原因で何が停滞してきたのか,をマクロ経済の視点から検討し,果たしてこの長期停滞を脱出できるのか,まで論じる深尾教授の研究成果が1冊にまとまった本.分析に必要であれば(一般的には)ミクロ(に分類される)データも使用する.生データから生成した社会価値(○○生産効率とか労働の質とか○○成長率とか)については本文や脚注で導出式があり,経済用語に疎くても,何となく著者が導きたいであろうデータは理解できる. 2012/11/16

おおしま

0
成長には、生産性向上が大事。深尾先生の研究の集大成的な本。2013/02/13

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