内容説明
金融危機を契機に、金融市場全体の安定性を守るマクロプルーデンス(信用秩序維持)政策が大きな注目を集めている。新しい考え方による市場安定化策、産業再生機構のケーススタディ、公的金融機能の再検討等を通じ、今後の金融規制・監督のあり方を検討・提示する。
目次
第1部 金融危機とマクロプルーデンスの視点に立った政策(金融危機の背景と金融規制監督政策;マクロプルーデンスの視点に立った政策体系の検討)
第2部 危機対応としての産業再生機構と金融市場(産業再生機構の機能;わが国の不良債権問題はなぜ深刻化したのか:市場の失敗の現実;事業再生マーケットの誕生は日本経済にどのような影響を与えたか)
第3部 公的金融システムが抱える課題は何か―公的金融の検証と市場の失敗(公的金融の機能を適切に発揮するための条件は何か;わが国の公的金融改革―日本政策金融公庫の課題;米国政府支援企業の経営悪化と住宅金融市場への政府関与を巡って)
著者等紹介
翁百合[オキナユリ]
1960年生まれ。82年慶應義塾大学経済学部卒業、84年同大大学院経営管理研究科修士課程修了、日本銀行入行。金融研究所、調査統計局、営業局等を経て92年より日本総合研究所。この間、慶應義塾大学大学院特別招聘教授、産業再生機構非常勤取締役、金融審議会委員などを歴任。2006年第1回円城寺次郎記念賞受賞。現在日本総合研究所理事。日本学術会議会員、早稲田大学客員教授、企業再生支援機構非常勤取締役等を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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