内容説明
競争戦略を考えるうえで必読とされるのが、難解と言われるマイケル・E.ポーターの著作群です。本書は、ポーターの主著である『競争の戦略』『競争戦略論』などで展開されている思想と論理を理解するためのコンパクトな入門書です。ポーターの著作を要約するだけではなく、抽象的な概念を理解しやすいように、日本企業の事例を盛り込み、わかりやすく説明しています。企業の競争戦略ばかりでなく、地域や国の競争力についても取り上げます。
目次
1 競争が何をもたらすのか(ポーターの競争観;避けるべきものとしての競争 ほか)
2 五つの競争要因を学ぶ(競争要因を考える;経済学的に捉えた五つの競争要因 ほか)
3 戦略ポジションを巡る争い(競争優位の源泉;戦略ポジションの選択 ほか)
4 クラスターと政府の役割(立地という視点;ダイヤモンドフレームワーク ほか)
5 日本の競争戦略を考える(オペレーション効率の範囲を広げる;日本企業の独自性を活かす ほか)
著者等紹介
西谷洋介[ニシタニヨウスケ]
モニターグループバイスプレジデント。1965年生まれ。88年東京大学教養学部卒。ペンシルバニア大学ウォートン校卒業。ベイン・アンド・カンパニー、GEキャピタル、ニュー・メディア・ジャパンを経て、2001年モニターグループ入社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kiyoshi Utsugi
30
ポーターは、「競争の戦略」という本を書いた人で、ハーバード・ビジネス・スクールの人気教授。そのポーター教授の著書をコンサルタントである著者が、かみくだいて分かりやすく解説するというもの。 ・競争が何をもたらすのか ・五つの競争要因を学ぶ ・戦略ポジションを巡る争い ・クラスターと政府の役割 ・日本の競争戦略を考える から構成されています。 大同生命、ヤマト運輸、スルガ銀行といった日本の企業をケース・スタディーとして取り上げていることもあり、分かりやすくはありますね。2022/01/14
ビイーン
15
ポーターの分厚い著書を読む前に、てっとり早くエッセンスを知りたかったので丁度よかった。ポーターの思想をもっと知りたく。次は「競争の戦略」へ進む。2015/12/05
Ryo
4
名前くらいは知っていたマイケル・ポーターの話をコンパクトにまとめた本。経営戦略としてブルーオーシャン戦略が最近また注目されてきているが、大括りでは同じ事を示唆している様に感じる。法人を人とするなら、生き様を持った尖った人間になれ。ちょっとした行動を真似てもその人となり迄は真似られず、よって半端者になり淘汰される。2007年に書かれた本だが、最近の経営戦略で語られる内容と大ききくは変わらない。いかに自らを知り、自分ならではの生き様を見つけるか。なぜこの知見が日本で全く活かされないのか。残念でならない。2018/07/16
Kazuya
2
気づけば最近、青い海にどっぷり浸かっていたことをふと感じ購読。現状にあえて見直しをかける上で再度本書を紐解いてみたわけだが、回り道の甲斐あってか新たな発見もあった。と、季節外れの台風に遭遇し、停車中の電車に詰め込まれながら読んだポーターとなった。172012/04/03
Yukiko Yosuke
2
昨年度、ゼミでポーターの「競争戦略論I、II」を読んだのですが、改めて違う人に解説してもらいたくて読んでみました。平易な表現で分かりやすく、また日本企業の例をたくさん挙げてくれているので取っ付き易いと思いました。時代背景を知らないと、なかなかポーターの真意は理解できないのだなと、自分の実力不足を実感した1冊でした。2012/06/04