内容説明
株主の委託のもとに会社を運営していく取締役は重要な責任と権限を持っています。本書では取締役として知っておくべき知識を網羅しました。2006年施行の会社法によって、株式会社はさまざまな機関設計をすることが可能になりました。それぞれの設計の中で取締役がどんな役割を果たすのかが理解できます。「取締役受難の時代」にあって、取締役はさまざまな訴訟にも対応しなければなりません。関係する法規定を概観し、その方法を考えます。最新の判例も引き、専門用語を避け、ていねいに解説します。
目次
1 取締役とはなにか
2 「株式会社」の仕組みと取締役
3 株式会社 三つのタイプと取締役
4 取締役の資格・任期・選任・解任
5 ボードの決定機能と取締役の義務
6 ボードの監督機能と取締役の注意義務
7 取締役の忠実義務
8 取締役の民事責任と刑事責任
9 株主代表訴訟
10 取締役の報酬
著者等紹介
中島茂[ナカジマシゲル]
1977年東京大学法学部卒業。79年弁護士登録。83年企業経営法務を専門とする「中島経営法律事務所」を設立。現在、中島経営法律事務所代表。弁護士・弁理士。警察庁情報セキュリティビジョン策定委員会委員、日本証券クリアリング機構監査役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともふく
5
復習のため再読。事務局として頭の整理になる。2019/01/03
ともふく
4
総務の仕事に必要のため読んでみた。基礎編として勉強になった。実務とかみあわせてさらに知識を深めたい。2018/09/24
Naota_t
2
★3.2/取締役の法律知識を広く浅く説明している。取締役のオーナーシップが強い中で、監査役はどのようにして立場を維持できるのか?と日頃から疑問に感じていたが、そのバックアップは法律だ。取締役は、「著しい損害」を監査役に報告する義務があるし、役職員に自ら報告を求めたり、子会社を調査する権利があるし、況や「差止請求権」も行使できる。法律に関すること以外にも、取締役会の実質的な運営と、その工夫などの実務面も載せてくれるとより参考になった。世の取締役は、どの程度自身についての法律知識を持っているのか?気になる。2022/03/28
hyena_no_papa
2
2021/2/15三回目読了。例の五輪組織委員会ドタバタを見て思い出したので。善管注意義務や忠実義務はまず最初に覚えた。株主総会決議不存在の訴えに期間の期限が無いというのは覚えておく必要あり。零細企業の経営者はほとんど法的知識がないのではないか?二三社を渡り歩いて感じた。株主総会と取締役会の区別も知らない。公的書類も後付で適当に捏造。本書は旧・商法下での解説になっているので、今の会社法では扱いが変わっている部分も少なくないかも知れないが、基本的な考え方自体は動いていない?ポケットブック的に重宝するかも。1997/10/11
takizawa
2
著者は弁護士,想定されている読者層は取締役。法律用語を極力具体的な言葉で言い換えたり具体例を提示している点が特長(よく出てくるのは,「工場用地買収の件」)。この手の教科書にありがちな退屈さがなく,非常に流れの良い本だと思う。会社法の取締役に関する規定をただ並べ替えただけではなく,監督・決定・執行・監査の機能,善管注意義務・忠実義務といった大きい話から,個別的な義務・責任といったミクロな話へとスムーズに移行しているからかな。繰り返し記憶を喚起する記述がなされているので,前の議論を忘れがちな人でも読める。2010/01/30
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