感想・レビュー
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みずさわゆうが
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古志野が瀬戸ではなく美濃であることをつきとめ、志野の復古に捧げた多治見の陶芸家、荒川豊蔵の自伝。そのタイトル通り、魯山人をはじめ多く文化人・財界人・美術家・そのほかの人々との縁に随い、一流の陶芸家の名を馳せるに至った。しかし、それは「随い」ではなく、来た縁に飛び込む、または、自分から紡いでゆくものであった。決して平たんな道のりでもなく、挫折ばかりで、金銭的にも余裕ができたのは還暦を越してからであった。しかし、魯山人をも凌ぐ審美眼は鋭く、末尾にしれっと書いてある厳しい言葉が、それを物語る。2025/03/17