内容説明
ここまで解明された、鳥たちの「心の世界」―鳥はこんなにも人間に近い「知性」と「感情」をもっていた!鳥たちの驚くべき知能や、人間との感動的な交流のエピソードを紹介。人と鳥との新しい関係が、この一冊から始まります。
目次
鳥たちの知能
鳥たちのもつ柔軟性
本能に導かれる鳥と人間
鳥たちの言葉
偉大なるロレンツォ―おしゃべりカケス
鳥たちの音楽、職人的な技巧、遊び
鳥たちの航法
人と鳥との個人的な友情
鳥の知能の全体像
なぜ鳥は完全に誤解されてきたのか
動物はすべて知的なのか
動物の知能がもつ革命的な意味
著者等紹介
バーバー,セオドア・ゼノフォン[バーバー,セオドアゼノフォン][Barber,Theodore Xenophon]
1927年アメリカ合衆国オハイオ州生まれ。アメリカン大学で社会心理学の博士号を取得後、ハーヴァード大学で研究に従事。1961年から1978年までメドフィールド財団に在籍、研究部長を務める。クッシング病院心理部長を経て、1986年「学際科学研究所(the Research Institute of Interdisciplinary Science)」を設立。催眠研究の第一人者として、多くの研究者に影響を与え、人間の心と体の関係(心身問題)や意識の諸側面の研究でも知られる。200以上の論文を発表、8冊の著書を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
22
鳥をはじめとする動物、森や草木という生きとしいきるものには知性、意識、コミュニケーション能力があり、ひいては「心」があるという見方をしない限り、人類は地球環境を破滅させ自滅するしかないことを痛切に訴えている。だが、動物は本能に従っている自動機械のようなものという学会権威におもねる思想はダーウィンの時代からさして変わっていないという。この現実をひっくり返すためには、人々が無機物も含む生きとしいけるものに畏敬の念をもつコペルニクス的大転換が必要だろう。自分に出来る範囲のことを語っていこうと強く思わされた一書。2018/05/04
mokamoka
8
「鳥は本能に縛られた機械のようなものである。」とキリスト教世界では一般に思われているそうな。鳥に愛情を持って接した事のある人であれば、「何をアホな」と一蹴してしまうだろう。鳥が非常に知性的で愛情あふれる生物だと経験則から知っている私は、アレックスやブルーバードのすごさも著者程には驚かない。人間が万物の霊長であり、人間以外の生物には知性はない、西欧化していない民族に対する蔑み、というのですかね、上から目線がなんとも頂けない。キリスト教を素地に持つ人達全員がそうとは思わないけど、2011/06/09
yukision
4
ヨウムのアレックスやセキセイインコのブルーバードといった,人間とコミュニケーションが出来る鳥や,野鳥と仲良くなった話などの例は非常に興味深かった。ただ,「鳥は機械に似ている(ロボットのようだ)と思われていた」などと繰り返されても,そんなことを思ったことが無いので,ちょっと辟易した。欧米ではそこまで見下していたんだ,ということは分かった。2018/02/08
ぼのまり
4
鳥の人間を思わせる行動実例から、その知性について論じた本。本には書いていないが、知性というととかく人間を中心に置いて他の動物の知能について、分析、推論をしてしまいがちだが、そもそもその考え方から変えてみる必要があるかもしれないと感じた。人間の価値判断軸への写像が必ずしも他の動物の正統な判断には繋がらない。イリーガルなのはむしろ人間なのだから。2013/06/21
azimuth
4
「鳥類の知られざる人間性」かつ「人間の知られざる非人間性」だ、プログラミングとか読むと。鳥がいかに人間に近いか、ということを語ってるんだけど、機械的だなんて感じたこともない鳥類好きにとっては妄想が裏打ちされた、くらいの気分だ。それはともかくこの本は面白い。たとえもうまいし。2011/02/09
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- 和書
- 峠に棲む鬼