内容説明
名台詞と貴重な写真で綴る演劇実験室・天井棧敷の軌跡。
目次
青森県のせむし男
大山デブコの犯罪
毛皮のマリー
時代はサーカスの象にのって
人力飛行機ソロモン
邪宗門
阿片戦争
盲人書簡上海篇
市街劇ノック
疫病流行記
阿呆船
奴婢訓
観客席
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
15
現在、ワタリウム美術館で開催している『寺山修司展「ノック」』の図録としての本書。寺山の作品の中でも、実験映画と舞台を中心とした展示内容だが、そもそも舞台作品の展示というのは困難さを伴うものだ。しかし今回の寺山展は、舞台写真や台詞をうまくコラージュし、映像も使って、うまく舞台のムードを醸し出していたように思う。俳句に短歌、シナリオと映画監督、様々な顔を持つ寺山だが、天井桟敷の舞台こそが、彼の凄みを感じさせる作品群であることが、この展示を鑑賞し、そして図録を読むと実感できる。(つづく)2013/08/29
かっぱ
14
当時でさえ警察沙汰になった街頭演劇。街全体を劇場にしてしまうことで、市井の人々を同じ舞台の上にあげてしまう手法は斬新。人は社会の中で自分という人間を演じながら生きているのだから、誰もが役者なわけだ。ノックされることで、気づかされる。自分も劇中の役者の一人なのだと。2013/09/08
がっちゃん
1
狂ってる。けれど今の時代、寺山修司が求められているのではないかとも思う。大人が子供を殺し、子供が大人を殺す。最早、現実がドラマ。「ありえない」なんて、ありえない。人々は刺激を求め、人生はドラマチックで在りたいと願う。演劇人よ、表現者よ。今こそ我々の出番だ。彼等は主役に成りたがっている。2013/09/14
権現
0
「気になってたんだけど何だかよくわからない人」の中の1人、寺山修司。少しはわかることがあるかも、と突発的に手に取ったまではよかったものの、①現実と演劇の垣根を破壊しようと試みていた。②そのために舞台という概念を革新し、市街地を巻き込んで演劇を展開したり、逆に観客を密室に閉じ込めるといった実験的な仕掛けを施していた。③そしてそんな中で、観客が役者に、役者が観客になってしまう状況を好んだ。この3点がわかったくらい。寺山氏自身が演劇の「体験」を強調しているように、やはり実際の創造物に触れないとわからんのだろうな2013/12/01
hiratax
0
今年は没後30年とあって無数の寺山本が出たが、大味な印象。5月に出た本はまだ読んでいない。5000円分買って丸善の袋に入れっぱなしで学校のロッカーに入ったままである。2013/10/11
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