内容説明
日本の建築物は、遙か昔から地震への対策がいろいろと施されてきました。地面の揺れをいかに建物に伝えないか、またその揺れを吸収、減少させるか、今や日本の技術は世界一です。
目次
第1章 木造建築・煉瓦造りと地震対策の歴史(日本は世界一の地震国ではない―しかし地震対策は世界一;日本の木造建築の技術は、まさに地震対策から発展してきた ほか)
第2章 耐震構造の考え方と技術(「剛構造」か「柔構造」か―関東大震災後に学会を二分して大論争;初の超高層ビル「霞が関ビル」の安全基準は常識をはるかに上回る ほか)
第3章 地震(振)動や風を制する制震技術とは?(日本の伝統的建築は柔構造―今は超高層の主役;制震は振動を制することから建築学会では「制振」と書く ほか)
第4章 免震技術と地震対策の未来(免震のそもそもの発想は地面の揺れと“縁を切る”;免震の実用化に向けた発信は日本が世界に先駆け ほか)
著者等紹介
高橋俊介[タカハシシュンスケ]
一級建築士、テンフェイ総合計画代表、高層建築研究会代表。東京大学工学部卒、ハーバード大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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June
27
日本の木造建築には耐震の技術が古来からある。組手は木を組んでいくことで、木の柔らかさと強靭さを利用したもの。東京スカイツリーは、五重塔の心柱を応用している。下から3分の1の心柱は塔体に固定され、上は自由に動くようになっており、可動域の心柱は塔体と異なる周期で揺れて、揺れを打ち消しあう。地震だけでなく風揺れも抑える。ブルジュ・ハリファは風を上に逃がす螺旋状の形、上にいくに従い小さくなっている。角を丸め表面に凹凸を付け風の影響を抑えている。気になるのは、遠い震源地から高層ビルが影響うける長周期地震動。2020/12/11
sennbei
0
わかりやすく書いてあった2013/08/21
二夢
0
見開きで1テーマずつ解説してあり、わかりやすく読みやすいです。新築に組み込む日本の技術はやっぱりすごい。一方、アメリカやイタリアでは既存の建物を大事にすべく、もともとある建物に施す技術「免震レトロフィット」が進歩したんですね。読みながらそんなところにも感心してみたり。個人的には街をまるごと免震する「ゼリー免震」のアイデアに一番驚きました。2013/01/17
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