内容説明
小さい孔の開いたフィルムを使ってモノとモノを分ける膜分離技術。海水の淡水化や超純水の製造、果汁濃縮や乳清処理、さらには血液透析にまで広く使われています。この本は原理と仕組みを中心に膜分離の基礎を紹介します。
目次
第1章 膜分離とその仕組み
第2章 いろいろな分野で使われる膜分離
第3章 分離膜の製法と膜モジュール
第4章 分離膜の性能評価法
第5章 膜分離の透過流束と阻止率
第6章 膜プロセスの基礎
著者等紹介
伊東章[イトウアキラ]
北海道留萌市出身。1982年東京工業大学理工学研究科化学工学専攻。博士課程修了(工学博士)。1983年新潟大学工学部助手。1986~1987年米国・シンシナティ大学膜工学研究センター研究員。1988年新潟大学工学部化学工学科助教授。2007年新潟大学工学部化学システム工学科教授。2009年~現在、東京工業大学理工学研究科化学工学専攻、教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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文旦飴
1
水中のNa濃度…飲み水<500ppm、蒸留水<1ppb、超純水<10ppt。ここまでくるとモジュールや配管からの溶出が問題になる。特殊なPVC配管は溶出を抑制。2023/04/01
とわも
0
なじみやすい応用例から入っていて分かりやすかった。後ろのページに式も多いが、膜分離プロセスは膜そのものというよりも分離し続けていくうちに効率が落ちていくのをいかにとどめるかというところが本番のようで、そのためには理論立てていくのが必要なのだろう。化学工学のなかでも、さらに膜分離の分野と細分化されているが、筆者がお一方なのもあって読みやすく入門にも良さそうだった。平衡の原理を利用した分離しかイメージできていなかったが、速度差を利用した膜分離のことがわかった。2018/03/30