内容説明
再生医療ビジネスへの企業の参入が顕著になってきている。例えば、角膜や心筋の再生を目指す企業は、細胞シート工学の技術を活かして、角膜の再生や虚血性心疾患のための心筋パッチなどを開発している。再生骨の分野では、大阪のベンチャー企業がハイドロキシアパタイトを足場として非吸収性の人工骨「ネオボーン」の販売を開始している。さらに、コンバインドセラピー(複合治療)を提唱し,遺伝子治療と細胞移植を併せて展開するカルディオにも注目が集まっている。本書では,このような多くの企業を取材し、実用化への可能性、課題等を探り、再生医療が今なぜ必要なのかの検証を試みている。
目次
第1章 どうにもできない!医療現場の限界
第2章 そもそも再生医療とはどんなものなのか?
第3章 再生医療ビジネス化への道
第4章 再生医療ビジネスの最前線を行く
第5章 再生医療市場10兆円への挑戦
第6章 対談 三宅淳VS松井高広 再生医療で日本経済は再生できるか?
著者等紹介
三宅淳[ミヤケジュン]
独立行政法人産業技術総合研究所ティッシュエンジニアリング研究センター長。東京農工大学大学院工学研究科教授。京都大学再生医科学研究所客員教授。大阪大学大学院医学系研究科並びに基礎工学研究科客員教授。1951年生まれ。大阪大学大学院理学研究科修了後、旧工業技術院微生物工業技術研究所に入所。以後研究員として、遺伝子操作を用いた光合成細菌の研究やヒト細胞の三次元培養による人工臓器の開発研究などに従事する。日本人工臓器学会の評議員などを務める傍ら、2001年より同研究センター副センター長、03年より現職。理学博士
松井高広[マツイタカヒロ]
「再生医療+ナノメディスンExpo2004」事務局長。ICSコンベンションデザイン営業推進部長。1957年、東京生まれ。81年、創価大学卒業後、カナダのブリティッシュ・コロンビア州立大学国際関係学科に留学。84年、同大学を中退し、JTB系列の総合イベント企画会社、ICSコンベンションデザインに入社。以来、国際会議、企業イベント、国際展示会の企画・運営に携わり、イベントオーガナイザーとして数々の総合イベントを立ち上げる。2003年3月、世界初の再生医療総合展示会「国際再生医療Expo2004」を企画し、実行委員会事務局長として成功に導く。また2002年3月、「nanotech2002」を立ち上げ、3年間で来場者3万人を超える世界最大の展示会に育て上げる中で、ナノ・ビジネス・マーケティング研究所所長にも就任。現在、「再生医療」「ナノテクノロジー」という最先端のサイエンスをビジネスに結びつけるため、各大学・研究機関・企業などへの広い人脈を活かし、テクノビジネスのコーディネーター兼コンサルタントの第一人者として活躍中
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