ISO統合マネジメントシステム構築の進め方―ISO9001/ISO14001/OHSAS18001

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  • サイズ B5判/ページ数 142p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784526048531
  • NDC分類 509.66
  • Cコード C3034

出版社内容情報

は じ め に
 現在、わが国においては品質システムISO9000(1994年版)や環境マネジメントシステムISO14001(1996年版)の審査登録している事業所は非常に多く、今後も増加傾向にある。また、最近では労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001(1999年版)を審査登録する事業所もわずかながら増えてきている。こうした中、環境マネジメントシステムとの両立性を考慮して、品質マネジメントシステムISO9001(2000年版)が発効され、2000年版へ新規登録する事業所や1994年版から2000年版への審査登録の移行が行 われている。
 本書ではこうした品質マネジメントシステムISO9001、環境マネジメントシステム14001、労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001の3つのマネジメントシステムを統合してできるだけシンプルなシステムとして運用できるようにして、最大の効果を上げることをねらったものである。
 本書でいう統合とは品質マネジメントシステムISO9001や環境マネジメントシステムISO14001や労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001を事業所の活動から生じる側面は違うが、仕組みを共通にして、一つのマネジメントシステムとして運用できるようにすることを言う。本書の構成は以下の5章から構成されている。
 第1章では品質マネジメントシステムISO9001、環境マネジメントシステムISO14001、労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001のそれぞれの内容を理解できるように、またそれぞれのシステム構築のポイントを解説している。
 第2章ではISO9001、ISO14001、OHSAS18001の規格要求事項の相互関係を比較し、それらの関係を良く理解して、統合マネジメントシステムを構築していく場合の方法を提案している。
 第3章では統合マネジメントシステムの構築の要となる品質の側面、環境側面、労働安全衛生の危険源、それぞれを抽出し、評価する方法を解説している。また従来、事業所で実施されているTQMやTPM活動をどのように統合マネジメントシステムに組み込んでいくかについても解説している。
 第4章では統合マネジメントシステムを構築するポイントを述べ、構築された統合マネジメントシステムの具体的な例 ―― 統合マネジメントプログラム、統合マネジメントマニュアル、統合された運用手順書等について述べている。
 第5章では統合マネジメントシステムが成果を上げるためには何が重要か、統合マネジメント組織体制、最高経営層や部門長の役割、統合内部監査の方法と統合内部監査員の  レベルの向上、統合マネジメントに関するQ&Aなどについて解説している。
 事業所の活動によってさまざまな側面(ここでは企業活動によって与える要素や原因を側面と呼ぶことにする)を生じる。この側面は、事業所の活動の業種・業態や社会的な変化、顧客や社会からの要求、企業が社会に対して果たす責任や役割などによって変化していく。
 重要なことは現時点で企業活動から生じる側面(ここでは主として品質、環境、労働安全衛生の側面)をとらえ、このうちで最も重要性のある取り組むべき課題に焦点を当てて、目標値を定め、この目標値を達成できるような統合マネジメントプログラム(管理計画書)を作成して、この計画が実行できるように仕組みを定めて管理していくことが統合マネジメントシステムである。
 従ってこの仕組みを繰り返し実行して、目標の達成とパフォーマンス(実績)の向上がされるように統合マネジメントシステムを有効なものにしていくことが重要である。事業所の活動には多くの側面があるが、これらの側面を統合して一つのマネジメントシステムで実行して成果が上がれば効果的であるといえる。
 本書は統合マネジメントシステムの構築と進め方に重点を置いているが、単独にISO9001、ISO14001及びOHSAS18001のそれぞれのシステムを構築しようとする場合にも役立つように、第1章では量、質とも考慮してポイントを抑えて解説した。統合マネジメントシステムを構築する事業所にとって、少しでもお役に立つことができればと願っています。
 最後になりましたが、本書をまとめるにあたり、原稿の校正、注意点等有益なご指導を頂きました(株)日刊工業出版プロダクション書籍編集部の小川純子さんに心より感謝いたします。

  2001年12月 著 者


<<目  次>>

まえがき  i

品質ISO9001、環境ISO14001、労働安全衛生OHSAS18001のマネジメントシステムを理解する
第1章
1.1 
マネジメントシステムとは  1
品質ISO9001、環境ISO14001、労働安全衛生OHSAS18001のマネジメントシステム構造  6
1.2 
【1】 品質マネジメントシステムISO9001の構造と概要はこのようになっている  6
【2】 プロセスアプローチとは  10
【3】 品質マネジメントシステムの有効性の改善とは、効率とは  12
【4】 ISO9001:2000はISO9000:1994から次のような点が変わった  13
1.3 
他のマネジメントシステムとの統合を考慮して、PDCAのサイクルに対応して規格の要求事項を整理する  15
品質マネジメントシステム構築のポイントと考え方  18
1.4 
【1】 利害関係者(顧客)からの要求事項と事業所内部の品質の目標の設定と考え方  18
【2】 品質マネジメントシステム構築のステップ  19
品質マネジメントシステムをプロセスのつながりで表現する  21
1.5 
【1】 品質マネジメントシステムのプロセスに関するポイント  21
【2】 関連する部門の品質マネジメントシステムのプロセスを設定する  23
【3】 事業所全体の品質マネジメントシステムのプロセスを設計するポイント  23
環境マネジメントシステムISO14001の構造とそのねらい  26
1.6 
【1】 環境マネジメントシステムISO14001の概要  26
【2】 ISO14001規格の構成と適用範囲  31
労働安全マネジメントシステムOHSAS18001の構造とそのねらい  34
1.7 
【1】 労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001の概要  34
【2】 OHSAS18001の重要なポイント  36
【3】 OHSAS18001規格の構成と適用範囲  36
【4】 OHSAS18001で特に重要な危険源と危険の種類の考え方  38
【5】 危険源の抽出範囲とその抽出の程度  40
【6】 OHSAS18001リスクアセスメント(risk assessment)とリスクアセスメントのステップ  41

環境・労働安全衛生総合マネジメントシステムの構築手順  48
1.8 
【1】 STEP1 環境・労働安全衛生推進チームの組織化  48
【2】 STEP2 審査登録範囲の決定と初期調査  48
【3】 STEP3 環境側面の特定と環境影響評価、危険源の特定と
    リスクアセスメント  50
【4】 STEP4 著しい環境側面と特定されたリスクの登録と法的要求事項の一覧表の作成  51
【5】 STEP5 環境・労働安全衛生方針及び事業所全体の目的・目標の作成  51
【6】 STEP6 目的・目標を達成するための統合マネジメントプログラムの作成  52
【7】 STEP7 環境・労働安全衛生マネジメントシステムの運用  52
【8】 STEP8 環境・労働安全衛生マネジメントシステムの運用状況の監査  53
【9】 STEP9 経営層による見直し(マネジメントレビュー)  53

ISO9001、ISO14001、OHSAS18001の規格要求事項の相互関連を見ていく
第2章
2.1 
ISO9001とISO14001とOHSAS18001の規格要求事項の相互比較  55
2.2 
ISO9001とISO14001の統合の考え方
(ISO9001とISO14001の共通点を考慮)  59
【1】 ISO9001とISO14001にほぼ共通した手順で運用できる項目  63
【2】 ISO9001の手順の中にISO14001に関する手順を組み込むことができる項目  64
【3】 ISO9001にまったく固有な項目  65
2.3 
ISO14001とOHSAS18001の統合の考え方(ほとんど同じ共通項目)  66
2.4 
ISO9001、ISO14001、OHSAS18001の統合の考え方(共通項目を考慮)  67

第3章
システム構築の基礎情報となる品質の側面・環境側面・労働安全衛生リスクの抽出と評価をこのようにする
3.1 
事業所の活動をプロセスで表す  69
3.2 
プロセスアプローチによる分析  70
3.3 
プロセスのINPUTとOUTPUTの関係  72
3.4 
プロセスに基づいて品質に影響する側面、環境側面、労働安全衛生の危険源を抽出する  73
【1】 品質に影響する側面  73
【2】 環境側面  73
【3】 労働安全衛生の危険源  73
3.5 
品質の側面・環境側面・労働安全衛生の危険源は互いに密接に関連があることに
注目する  74
【1】 品質の側面と環境側面の関係は密接に関連する  74
【2】 環境側面と労働安全衛生の危険源は密接に関係する  75
【3】 品質の側面と労働安全衛生の危険源との関係  76
【4】 品質の側面・環境側面・労働安全衛生のリスクが改善される例  77
3.6 
基礎情報となる品質の側面、環境側面、労働安全衛生の危険源をこのように
抽出する  78
3.7 
品質の側面、環境側面、労働安全衛生の危険源をこのように評価する  79
【1】 品質の側面に関する評価方法  79
【2】 環境影響評価の方法  80
【3】 危険源の特定・リスクアセスメント(リスクの評価方法)  86
3.8 
プロセスから品質の側面、環境側面、労働安全衛生リスクを定量的に効率よく
評価する  87
3.9 
一つの側面に複数の改善目標があることに着目(ここに着目することが重要)  89
3.10 
評価された重要な品質の側面・環境側面・労働安全衛生リスクを登録する(登録簿の作成)  90
3.11 
法的要求事項はこのようにまとめる  91
3.12 
従来の活動を分離しないで一体化する  92
3.13 
従来のTQMやTPMの活動はこのようにマネジメントシステムに組み込む  94
【1】 品質、環境、労働安全衛生の側面の情報から課題を絞り込む  94
【2】 ISO9001、ISO14001、OHSAS18001に組み込むときに重要なこと  94

第4章
このようにISO9001、ISO14001、OHSAS18001のマネジメントシステムはこのように統合する
4.1 
統合マネジメントシステム構築のポイント  97
4.2 
活動の組織体制を統合マネジメントが実行できるようにする  99
4.3 
品質の側面・環境側面・労働安全衛生リスクの集約から重要側面及びリスクを決定する  100
4.4 
方針、重点目標の設定  101
4.5 
目標を達成するための品質・環境・労働安全衛生統合マネジメントプログラム(管理計画書)を作成する  102
4.6 
マネジメントプログラムの作成のポイントはここにある  104
【1】 作成上のポイント  104
【2】 マネジメントプログラムの実施の過程はPDCAのサイクルになっている  104
4.7 
部門のマネジメントプログラムを有効にマネジメントして全体の成果を上げる  105
4.8 
重要な側面を管理するための運用手順書を作成する  106
【1】 運用手順書の統合の考え方  106
【2】 運用基準の明記  107
4.9 
部門の運用手順書は統合してこのように作成する
(ISO9001、ISO14001、OHSAS18001)  109
4.10 
統合されたマネジメントシステム文書はこのように作成する  111
【1】 ISO9001とISO14001の統合マネジメントシステム文書の作成  111
【2】 ISO9001、ISO14001、OHSAS18001の統合マネジメントシステム文書の作成  115
【3】 ISO14001とOHSAS18001について統合マネジメントシステムの文書の作成  119
4.11 
統合マネジメントマニュアルと手順書はこのように作成して、文書化は最小限にする  121

第5章
統合マネジメントシステムは成果を上げるためにある(パフォーマンスの向上を目ざして)
5.1 
統合マネジメント推進責任者の役割  123
【1】 統合マネジメント推進責任者と部門の長の役割  123
【2】 最高経営層の役割  123
5.2 
統合マネジメントシステムを有効にする内部監査の方法  125
【1】 統合マネジメントシステムを有効にする  125
【2】 統合内部監査を実行する内部監査員に必要な能力  126
【3】 統合マネジメントシステムを理解し、監査する  128
【4】 統合内部監査のためのチェックリストはこのように作る  128
【5】 部門(現場)の能力を引き出す  130
【6】 内部監査では重箱の片隅をつつかない、システムやプロセスの有効性について
   監査する  130
5.3 
パフォーマンスが向上していくようにシステムを改善していく  132
5.4 
統合マネジメントを効果的に進めるためのQ&A  133
【Q1】 統合マネジメントシステムを進めるときのポイントは何ですか。  133
【Q2】 統合マネジメントシステムを進めると、どのような利点がありますか。経営
 トップに統合マネジメントの効果、有利性をどのように説得していったら
 よいでしょうか。  134
【Q3】 ISO9001とISO14001の統合マネジメントを効率良く行うには、どのように進めていけばよいでしょうか。  135
【Q4】 ISO14001のマネジメントシステムはすでに構築して実施しています。
ISO14001とOHSAS18001は規格の要求事項を見ると、まったく同じシステ ムで運用できるように思います。審査登録の費用を考慮してOHSAS18001については認証取得しないでISO14001のマネジメントシステムに組み込んで実施しようと考えています。この方法は可能でしょうか。  136
【Q5】 ISO14001などのマネジメントシステムは自己宣言ができると聞きましたが、自己宣言の場合の有利な点と不利な点は何ですか。  137
【Q6】 現在、ISO9001の事務局とISO14001の事務局が別々でマネジメントシステムが別々となっており、部門(現場)の負担が大きくなっています。どのように解消したらよいでしょうか  138
【Q7】 統合マネジメントシステムを構築して、将来は統合マネジメントシステムの審査を受けたいと考えておりますが、このときのメリットや注意する点はどんなことがありますか  139

 参考文献  140
 索 引  141

内容説明

本書は、品質マネジメントシステムISO9001、環境マネジメントシステム14001、労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001の3つのマネジメントシステムを統合してできるだけシンプルなシステムとして運用できるようにして、最大の効果を上げることをねらったものである。

目次

第1章 品質ISO9001、環境ISO14001、労働安全衛生OHSAS18001のマネジメントシステムを理解する
第2章 ISO9001、ISO14001、OHSAS18001の規格要求事項の相互関連を見ていく
第3章 システム構築の基礎情報となる品質の側面・環境側面・労働安全衛生リスクの抽出と評価をこのようにする
第4章 ISO9001、ISO14001、OHSAS18001のマネジメントシステムはこのように統合する
第5章 統合マネジメントシステムは成果を上げるためにある(パフォーマンスの向上を目ざして)

著者等紹介

鈴木茂夫[スズキシゲオ]
1976年東京理科大学工学部電気工学科卒業。富士写真光機(株)を経て現在(有)イーエスティー代表取締役、技術士(電気・電子部門)。品質ISO9001/環境ISO14001/労働安全OHSAS18001/マネジメントシステム構築支援業務。電子映像技術(CCD応用)、高周波技術、EMC技術等の支援、技術者教育(エレクトロニクス)。IEMA/CEAR環境マネジメントシステム主任審査員。IEMAプリンシパル環境監査員申請中(377P)。JRCA品質マネジメントシステム主任審査員、検証審査員(Competent Person)、IRCA品質マネジメントシステム主任審査員。JAB認定環境審査員研修コース主任講師。OHSマネジメントシステム構築コース構師。労働安全コンサルタント
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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