出版社内容情報
技術摩擦に移行している日米関係の本質は何か,どう進展するか,新しい日米関係は等,分り易く解説.◎項目 現代産業社会の構造転機 日米関係の構造転換(技術革新プロセスの科学と技術ほか) 転換する世界経済における日本の選択 ほか
内容説明
海外進出の拡大は、直線的に日本経済・産業の「空洞化」をもたらすのではなく、むしろ経済発展のある局面では内需拡大と両立しうることを日本経済は示したのであり、新しい経済発展の日本モデルともいえるものである。さらに日本モデルの持つ意味は、これまで米ソ両超大国に主導されてきた世界システムに変革を迫るものという、経済を越えた問題を提起しているところにある。両国とも、財政再建、ペレストロイカという形で経済運営のあり方をいま深刻に問い直しているのである。こうした問題意識のもとに日米関係に焦点を合わせつつ、本書をまとめてみた。
目次
第1章 転期を迎えた日米関係(日米関係の新局面;追い詰められる日本の技術主権;米国の技術戦略とテクノナショナリズム)
第2章 日米先端技術戦争のゆくえ(微妙に異なる日米のイノベーション・サイクル;研究開発の新パラダイム“非線型モデル”;知識化未来社会へのイノベーション)
第3章 世界システムを変える情報技術革新(産業社会を変える情報技術革新;情報武装する製造システム;情報化が生む転換期の「東京問題」と「日本問題」)
第4章 日本のグローバル化の中の日米技術問題(進む日本企業のグローバル化;研究開発の多国籍化と特許戦略;知的資産をめぐる国際紛争と包括貿易法)
第5章 日本の選択「柔らかな自立」へ(INF合意後の米ソ関係と世界経済;先端技術と安全保障の日米関係;日米リンクからの離脱と「柔らかな自立」日本)