出版社内容情報
《内容》 近年,高齢化やスポーツの普及によって,肩関節疾患が増加している.本書では,スポーツによる障害の治療や,鏡視下手術の工夫,腱板不全断裂や動揺性肩関節などの治療の実際,また,新しい手術材料などを紹介.今日の肩関節疾患治療の最前線を一望できる内容になっている. 《目次》 【主要目次】1.疫 学 特発性大腿骨頭壊死症の記述疫学/特発性大腿骨頭壊死症の分析疫学2.病 態1.病理標本からのアプローチ 病理組織像からみた特発性大腿骨頭壊死症の病態/特発性大腿骨頭壊死症の病態/特発性大腿骨頭壊死症の早期病理像2.血管造影,PETからのアプローチ 特発性大腿骨頭壊死症の各病期,病型における血行変化/特発性大腿骨頭壊死症の血管病態3.動物実験からのアプローチ ステロイド投与家兎における骨内血管系の変化/血清病型骨壊死モデル/ステロイド投与家兎における大腿骨頭内血液循環/骨壊死動物モデルの開発とその病態解析-ステロイド単独投与による兎骨壊死モデル/骨壊死動物モデルの開発とその病態解析-Shwartzman反応による過凝固状態にステロイドを併用投与した兎骨壊死モデル4.その他 ステロイド内服療法中に発症した特発性大腿骨頭壊死症が骨代謝および軟部組織組成に及ぼす影響/特発性大腿骨頭壊死症における骨髄浮腫3.診断,自然経過,予後の推測,病型分類 特発性大腿骨頭壊死症の診断/厚生省研究班病型分類からみた特発性大腿骨頭壊死症の自然経過と予後の予測/ステロイド性大腿骨頭壊死症の自然経過と骨髄浮腫/MRIで大腿骨頭壊死病変の修復を観察しえた1例4.治 療1.骨切り術の長期成績 特発性大腿骨頭壊死症に対する杉岡式前方回転骨切り術の10年以上経過例の成績/大腿骨頭壊死症に対する大腿骨頭前方回転骨切り術後に生じる骨頭外側骨棘の役割/大腿骨頭壊死症に対する後方回転骨切り術/特発性大腿骨頭壊死症に対する大腿骨内反骨切り術の適応と限界2.骨移植術の長期成績 大腿骨頭壊死に対する浅腸骨回旋動静脈を用いた血管柄付き骨移植術の検討/特発性大腿骨頭壊死症に対する血管柄付き腸骨移植術の長期成績/大腿骨頭壊死症に対する深腸骨回旋動静脈を用いた血管柄付き腸骨移植術の検討/特発性大腿骨頭壊死症に対する腸骨鼠径進入法を利用した血管柄付き腸骨移植術/遊離血管柄付き腓骨移植術による特発性大腿骨頭壊死症の治療3.人工骨頭・人工関節の長期成績 特発性大腿骨頭壊死症に対する人工骨頭・人工股関節置換術の長期成績/青壮年期の特発性大腿骨頭壊死症に対する人工股関節の長期成績/大腿骨頭壊死症に対するセメントレス人工骨頭置換術の中期成績/大腿骨頭壊死症に対するBateman型人工骨頭の長期成績
内容説明
患者のQOL重視という最近の風潮からみて、自立した日常生活に必須である運動器疾患を扱う整形外科への要求と期待がさらに大きくなっている。肩関節障害は、かつては日常生活での作業への障害があまり大きくはないとの理由からか、熱心に研究されていなかったのではないかと思われる。しかし近年、患者の高いQOLへの志向と医療技術の進歩によって状況が変化し、肩関節障害の病態解明に向けた基礎・臨床研究の進歩による診断技術、治療法の発達がみられている。その現況を知るために本誌は企画されたものである。
目次
1 肩のバイオメカニクス―最近の知見
2 スポーツ障害―診断と治療
3 肩関節鏡視下手術の工夫
4 腱板不全断裂の診断と治療
5 動揺性肩関節の病態・診断・治療
6 いわゆる五十肩
7 麻痺肩の機能再建
8 新しい手術材料・手術器具・治療手技の開発