出版社内容情報
《内容》 21世紀の生命科学の焦点である「発生,分化,老化」は,生命の起源と終焉を規定する心血管系の分子生物学的解明ぬきでは語れない.本書では,循環器病学の病態生理解明の最前線を体系的に,わかりやすくまとめた.循環器臨床の展望をスピーディーにつかみ,明日の臨床応用につながる基本概念をとらえるために好適な一冊. 《目次》 [主要目次]1.分子循環器病学のCurrent Review 循環器疾患の遺伝子解析-現状と展望/循環調節ペプチド,サイトカイン,NO/循環器疾患における免疫学的アプローチ/発生工学を用いたモデル動物による解析2.分子循環器病学理解のためのQ&A●Basic Q&A 遺伝子のクローニングとは/遺伝子の構造と発現調節とは/選択的スプライシングとは/刺激は情報としてどう伝達されるか●Advanced Q&A 心臓の発生・分化とは/大血管の発生・分化とは/興奮収縮連関とは/血管新生の分子機序とは3.高血圧の分子生物学 本態性および二次性高血圧症の遺伝子解析/血圧の中枢性調節機構/循環調節ペプチド/モデル動物を用いた遺伝子解析4.動脈硬化の分子生物学 血管壁細胞における脂質の蓄積と排泄の分子機構/粥状動脈硬化における血管内皮細胞―白血球間のインターアクション/血管平滑筋細胞増殖と形質変換/Atherogenic lipoproteinの病態における分子生物学/Antiatherogenic lipoproteinの病態における分子生物学/危険因子が重複する病態の分子機構5.心血管イベントの発症機序 プラークの形成から破綻をきたす機序/血管内皮機能障害と血栓形成/冠スパズムの発症機序/スタニング,ハイバネーション,プレコンディショニングと虚血心筋保護6.心肥大・心不全の分子生物学 心肥大形成の情報伝達/心肥大における組織ホルモンの役割/肥大心筋細胞の形質変換/心不全発症の分子機構/心拒絶反応の分子機構と免疫抑制7.循環器病における遺伝子疾患 肥大型心筋症/家族性QT延長症候群の遺伝子解析/Fabry病と神経筋疾患/RAS遺伝子多形と循環器疾患/Marfan症候群などの大動脈疾患8.発生工学を用いた循環器病のモデル動物 レニン・アンジオテンシン系/IL-6 / IL-6受容体トランスジェニックマウス/gp130の心筋における役割の解析/Ltkトランスジェニックマウス/エンドセリンノックアウトマウス/内蔵逆位マウス/スカベンジャー受容体欠損マウスが明らかにした同受容体の動脈硬化進展における役割/老化抑制遺伝子
内容説明
本書では、生命科学発展の一翼を担っている循環器研究の新しい展開を、最先端の研究を支えている人が体系的に解説した。
目次
1 分子循環器病学のCurrent Review
2 分子循環器病学理解のためのQ&A
3 高血圧の分子生物学
4 動脈硬化の分子生物学
5 心血管イベントの発症機序
6 心肥大・心不全の分子生物学
7 循環器病における遺伝子疾患
8 発生工学を用いた循環器病のモデル動物