出版社内容情報
コモンディジーズである喘息とCOPD,その両者のオーバーラップ(ACO)の診療について,わかりやすく解説.好評書『プライマリ・ケアの現場でもう困らない!止まらない“せき”の診かた』の姉妹書として,コモンディジーズである喘息とCOPD,その両者のオーバーラップ(ACO)の診療について,わかりやすく解説.「喘息なの?それともCOPD?」,「たくさんある吸入薬・生物学的製剤…どれをどう使うべき?」といった実地医家の悩みに応えるべく,鑑別の考え方から治療薬の選択・処方のポイント,他科との連携まで,実践を凝縮した.冒頭のエッセンスなどでさっと要点を確認できる,臨床現場ですぐに役立つ心強い一冊.
【内容目次】
喘息,COPD,ACOに用いる主な吸入長期管理薬
はじめに:喘息・COPD・ACOを診るときに知っておいてもらいたいこと
第1章 診断の決め手!?“きっかけ”を逃さない?
A 喘息,COPD,ACOは多彩な症状を見せる
B アレルギー性鼻炎を放置していると咳喘息や喘息になるかも?!
C 定期的な治療を要する喘息,COPD,ACOを診断する
D 診断的治療のすすめ?どのくらいで改善したのかチェック?
第2章 各種検査をどう活かす??プライマリ・ケアでできるもの,専門施設に依頼するもの?
A プライマリ・ケアでできる検査
B 専門医による精密検査の概要を知っておく
第3章 吸入薬の効率的な使い分け・減らし方
A 喘息とCOPDでは使う吸入薬が異なる?ガイドラインも含めて?
B 不安定なら1日2回の吸入薬
C 安定しているなら1日1回の吸入薬?ステップダウンを考慮する?
D 吸入薬はいつまで続ける?ステップダウンと使い分けは??各吸入薬の特徴を踏まえて?
E 吸入薬が使えない場合はどうする?
F 吸入指導は短時間で効率的に
第4章 治療をしていても咳が止まらないどうする?
A ICS,ICS/LABAを投与していても咳が止まらない喘息には抗コリン薬を追加してみよう
B 診断が間違っているか,合併症が隠れている?!
1.耳鼻咽喉科疾患の合併が最も多い
2.胃食道逆流症(GERD)の合併が増加
3.咳喘息とアトピー咳嗽,両者の合併も視野に
4.作業関連喘息
5.口腔喉頭カンジダ症?一度は口腔内を観察する?
6.百日咳は全数把握疾患に変更
7.マイコプラズマ感染症?診断法が進歩中?
8.心因性咳嗽
9.Cough hypersensitivity syndrome(CHS)
第5章 大発作になりやすい危険な患者(急性増悪)に注意!
A 喘息・COPDの急性増悪時の対応の基本
B ACOでの発作対応は何が違う??喘息・COPD単独よりも急性増悪を起こしやすい?
C 喘息大発作による低酸素血症で緊急入院しやすい患者像とは?
D COPD,ACOで急性増悪を起こしやすい患者像は?
第6章 プライマリ・ケアでもできる重症喘息治療・気をつけたい特殊ケース
A 重症喘息への生物学的製剤の使い分け
B 気管支サーモプラスティの効果は??重症・難治性喘息治療のオプション?
C アスピリン喘息(AERD)に注意
D 特殊ケース:治療中に胸部X線で陰影が出た場合はこれを疑う!
1.アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)?難治性喘息で再発性が高い?
2.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)?難治性喘息治療中の異変に注意?
3.悪性腫瘍(肺癌・気管支癌)?COPDやACOでの合併が多い?
4.気管支結核?診断の難しさ?
第7章 喘息,咳喘息における他科との関わり
A 耳鼻咽喉科での免疫療法で喘息が改善する?!
B 産婦人科外来での妊婦,授乳婦への対応?投与可能な薬は何か??
C 整形外科診療での喘息,COPDの注意点
D 外科系から呼吸機能が手術に耐えられるかの判断の依頼を受けたとき
E 小児科から内科への小児喘息の紹介
F リウマチ・膠原病内科との関わり
索引
田中 裕士[タナカ ヒロシ]
著・文・その他