出版社内容情報
《内容》 整形外科手術の合併症である深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症への対策をまとめたマニュアル.2004年に発刊された「予防ガイドライン」の内容をかみくだいて標準的な予防対策を解説すると同時に,診断・治療・インフォームドコンセントに関する項目も加え,臨床現場でただちに活用できる一冊とした.診療報酬改定で新設された「肺血栓塞栓症予防管理料」にも対応した内容.
《目次》
【主要目次】
第1章 術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症のステータス・クオ
A.肺血栓塞栓症の疫学
1.肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症の発生頻度
2.肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症の危険因子
3.肺血栓塞栓症の発症状況
B.術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症の疫学
1.術後肺血栓塞栓症の疫学
2.術後深部静脈血栓症の疫学
C.肺血栓塞栓症の予後
1.当施設の成績
2.肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドラインより
3.肺血栓塞栓症の予後改善のために
第2章 病態と診断
A.肺血栓塞栓症の症状と診断の進め方
1.肺血栓塞栓症の病態
2.肺血栓塞栓症の臨床の基礎知識
3.肺血栓塞栓症の臨床像および検査所見
4.診断へのアプローチ
B.肺血栓塞栓症の確定診断
1.補助的検査
2.確定診断法
3.肺血栓塞栓症の確定診断手順
C.深部静脈血栓症の診断
1.臨床症状
2.血液検査
3.125I-fibrinogen uptake test
4.超音波検査
5.静脈造影
6.造影高速CT
7.MR venography
8.診断法の使い分け
D.スクリーニングとしてのD―dimerによる診断
1.静脈血栓塞栓症の予防・治療戦略
2.よい検査の条件
3.血栓形成のメカニズム
4.凝固・線溶系マーカー
5.スクリーニングに適した検査法
6.D―dimerの有用性と問題点
第3章 予防法・総論
A.術中の注意
1.整形外科手術中の注意(総論)
B.下肢自動運動と弾性ストッキング
1.下肢自動運動の効果
2.弾性ストッキングの予防効果
3.弾性ストッキングと間欠的空気圧迫法の併用
4.弾性ストッキングの使用禁忌
5.正しい弾性ストッキングの装着法
C.間欠的空気圧迫法
1.間欠的空気圧迫法の概要
2.整形外科手術における間欠的空気圧迫法の有効性(相対リスク減少率,relative
risk reduction:RRR)
3.IPC,VFPの使用法
4.間欠的空気圧迫法の合併症
5.間欠的空気圧迫法の禁忌
6.適切な使用の必要性
D.抗凝固療法
1.予防的抗凝固療法
2.ワルファリン
3.未分画ヘパリン
4.抗凝固療法の合併症・禁忌
E.エリスロポエチンと肺血栓塞栓症
第4章 予防法・各論
A.下肢人工関節全置換術
1.リスク評価
2.説明と同意(インフォームドコンセント)
3.深部静脈血栓症の術前スクリーニング
4.深部静脈血栓症の予防
5.DVT/PEの早期診断
6.治療体制の確立
7.当科のDVT/PEリスク管理
B.脊椎手術
1.発生頻度
2.術前の予防
3.術中の予防
4.術後の予防
5.急性脊髄損傷
C.股関節骨折,下肢骨折
1.股関節骨折,下肢骨折の静脈血栓塞栓症
2.ガイドラインに基づく静脈血栓塞栓症予防法とその問題点
3.予防法の実際
第5章 治 療
A.深部静脈血栓症の治療
1.症候性深部静脈血栓症の薬物治療
2.無症候性深部静脈血栓症の薬物治療
3.肺血栓塞栓症や血栓後症候群を予防するためには
4.症例供覧
B.肺血栓塞栓症の治療
1.症例供覧
2.治療法
3.整形外科医に求められること
Appendix.脂肪塞栓症の診断と治療
1.脂肪塞栓とは
2.原 因
3.症 状
4.診 断
5.予 防
6.治 療
第6章 インフォームドコンセント―今できること
1.肺血栓塞栓症をどこまで説明するか
2.説明すべき疾患,手術
3.予防法による合併症
4.今できることは
5.完全に予防できるわけではないこと
目次
第1章 術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症のステータス・クオ
第2章 病態と診断
第3章 予防法・総論
第4章 予防法・各論
第5章 治療
第6章 インフォームドコンセント―今できること
著者等紹介
冨士武史[フジタケシ]
大阪厚生年金病院整形外科部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。