出版社内容情報
《内容》 造血幹細胞移植の移植形態の多様化に伴い,その捉え方が日々変化しているGVHDについて最新情報を提供.診断,検査,臨床所見,予防,治療に関し,臨床現場ですぐに役立つマニュアルとして具体的に詳述.日本造血細胞移植学会がまとめた「急性GVHDの診断と治療に関するガイドライン」に沿い,ガイドラインの読み方,使い方も示す.
《目次》
【主要目次】
1.GVHD克服への道―序にかえて
1.GVHDとの闘い:移植療法確立への道のり
2.GVHDへの再挑戦:骨髄バンクを介した非血縁者間移植
3.移植の多様化とGVHD克服に向けて
2.GVHDのメカニズム
1.急性GVHDの病態生理
2.慢性GVHDの病態生理
3.免疫寛容
4.免疫再構築とGVHD
5.GVL効果
3. HLAのバリアー:GVHDとドナー選択
3・1 同種移植に必要なHLAの基礎知識
1.HLAの概説
2.HLAタイピング
3・2 血縁者間移植
1.さまざまな幹細胞ソースの選択
2.HLA一致同胞間移植の成績
3.HLA 1座不一致血縁者間移植に関する海外からの報告
4.日本人のデータを用いたHLA 1座不一致の影響の解析
5.HLA 1座不一致血縁者間移植とHLA一致非血縁者間移植の比較
6.その他のドナー
7.HLA 2座以上不一致血縁者間移植
8.骨髄移植と末梢血幹細胞移植
9.移植前処置の影響,ミニ移植におけるGVHD
3・3 非血縁者間骨髄移植
1.重症GVHDの出現は患者の予後を悪化させる
2.HLA血清型適合といってもHLA遺伝子型不適合の場合が多い
3.日本人間移植ではHLAクラス1抗原の違いが重要
4.NK細胞レセプターの急性GVHDへの関与
5.GVHD予防法によるGVHD発症率の違いとHLAバリアー
6.JMDPにおけるHLAバリアーのまとめ:HLA‐C適合の重要性
7.ドナー選択ガイドライン
8.今後のHLA検査体制とH LA適合度に基づくドナー選択順
9.日本人間移植と白人間移植でHLAのバリアーは違うのか
3・4 非血縁者間臍帯血移植とGVHD
1.非血縁者間臍帯血移植の利点と課題
2.国内での臍帯血移植件数の推移
3.国内での非血縁者間臍帯血移植成績
4.GVHDの発症頻度の比較と危険因子
5.GVHDの予防
6.急性GVHDの診断と治療
7.GVHDの発症頻度に関する骨髄移植と臍帯血移植との比較
8.非血縁者間臍帯血移植のドナー選択
9.今後の課題
4.急性GVHDの臨床所見と診断基準
1.診断基準
2.重症度分類
3.急性GVHD診断の客観的マーカー
4.臨床症状
5.TMAとGVHD
5.急性GVHDの予防法
1.GVHD予防の意義
2.GVHD予防は必要か?
3.標準的予防法
4.標準的予防法の改良
5.CSP+MTX併用療法の投与法,副作用
6.FK506+MTX併用療法の投与法,副作用
7.T細胞除去
8.ATG
9.骨髄非破壊的移植におけるGVHD予防
6.急性GVHDの治療
1.急性GVHDの治療の歴史
2.初期治療としてのステロイド治療
3.局所療法
4.治療効果判定基準
5.初期治療の成績
7.二次治療,ステロイド抵抗性急性GVHD
8.新しい治療法
7.慢性GVHDの診断・予防・治療
1.発症の危険因子
2.慢性GVHDの予防
3.慢性GVHDの分類と問題点
4.臨床像
5.診断と鑑別診断
6.治療―primary treatment
7.支持療法
8.治療―salvage
9.慢性GVHDが移植成績に与える影響
10.チーム医療としての慢性GVHDのマネージメント
8.GVL効果と細胞療法の実際
1.GVL効果
2.GVL効果を目的とした細胞療法(DLI)
9.新たな組織適合抗原とGVHD・GVL効果
1.マイナー抗原
2.サイトカイン関連遺伝子多型とGVHD
3.NK細胞レセプターとGVHD
10.患者管理の実際
1.ドナーの選択
2.説明と同意
3.移植医療チーム
4.移植医療を支える他部門
5.移植患者の管理
資料
■同種造血幹細胞移植 患者説明文書
■看護管理マニュアル 下痢/GVHD