出版社内容情報
《内容》 近年,とくに複雑化し,またその考えも流動的である「医の倫理」について,医師,医学生,看護師,薬剤師などの医療従事者を対象に,臨床医の立場から初心者にもわかりやすくまとめた一冊.医師の職業倫理,末期患者の医療,生殖医療の倫理的問題,医学研究の倫理などについて,随所にコラムをまじえて解説.
《目次》
【主要目次】
第1章 医の倫理の基本的事項
1.医の倫理とその基盤
2.20世紀後半における医の倫理についての変革
3.医の倫理の基盤―今日のキーワード
4.医の倫理規定と倫理の実践
第2章 医師の職業倫理
1.日常の診療においての医師の一般的責務
2.法律で定められた医師の業務上の義務
3.医師のその他の業務上の責務
第3章 末期患者の医療
1.単なる延命治療より患者の生活・生命の質(QOL)の尊重
2.回復の見込みのない重症患者に対する延命治療の差し控えと中止の倫理的問題
3.患者の意思の確認
4.蘇生禁止の指示(DNR-order)
5.末期患者に対するケア,ターミナルケア
6.安楽死(積極的安楽死)
第4章 生殖医療の倫理的問題
1.生殖医療の倫理的問題の特徴
2.人(ヒト)の生命は何時始まるのか
3.避妊(受胎調節),男女の産み分け
4.人工妊娠中絶
5.出生前診断,着床前診断
6.不妊症の治療についての倫理的問題
7.胎児の減数手術
8.ヒトに関するクローン技術
9.胚性幹細胞(ES細胞)
10.その他の生殖医療の問題
11.生殖医療の倫理についてのまとめ
12.わが国の現状における基本的考え
第5章 医学研究の倫理
1.動物実験
2.ヒトを対象とする医学的実験
3.研究発表の倫理
第6章 医の倫理―現在の課題
1.医療における患者の自己決定権,契約としての医療と医師の奉仕精神
2.先端的医療と医の倫理その危機
付録1.ヒポクラテスの誓い
付録2.ヘルシンキ宣言