出版社内容情報
《内容》 高齢化や食生活の欧米化により近年急増しているGERD(胃食道逆流症)に関する入門書.どう診断し,どのような治療を選択するのか.また,内視鏡ではどうみえるのか.ピロリ除菌との関係はなど,その分野の専門医が一般臨床医を対象に,日常診療で知っておくべき基礎知識をわかりやすく解説.消化管の機能障害に関心をもつすべての医師の必読書.2色刷
《目次》
【主要目次】
1.GERDとは―どうして起きるのか
A.定義
B.発生因子と発症のメカニズム
2.GERDの歴史と分類―いま注目されるのはなぜか
A.GERDの歴史
B.GERDの内視鏡分類
3.GERDの疫学と諸外国との比較―本当に増加しているのか
A.逆流性食道炎の地理的疫学
B.逆流性食道炎の時間疫学
C.患者の特徴―欧米と日本の比較
D.逆流性食道炎増加の要因
E.逆流性食道炎はさらに増えるか
4.GERDにみられる症状
A.定型的症状
2.胸やけはどの程度理解されているか
3.胸やけと逆流性食道炎
B.非定型的症状
1.非定型的症状とは
2.非心臓性胸痛
3.呼吸器症状
4.耳鼻咽喉頭領域の症状
5.診断へのアプローチ
A.問診の評価
B.内視鏡検査
C.生検
D.pHモニタリング
1.24時間pHモニタリングの適応
2.24時間pHモニタリングの測定方法
3.24時間pH測定データの解析と解釈
E.その他の検査
1.シンチグラフィ
2.運動能
3.PPIテスト
F.食道癌との鑑別
6.GERDのストラテジー
A.胃食道逆流症(GERD)の治療の目的
B.GERD治療の種類
C.GERDの予後
7.発症予防と生活指導
A.生活指導の考え方
B.食事指導
C.合併疾患に使用する薬剤の影響
D.生活動作について
8.薬物治療の実際
A.薬物治療の概要
B.制酸薬・粘膜保護薬を用いた治療
C.酸分泌抑制薬(H2受容体拮抗薬,プロトンポンプ阻害薬)による治療
1.GERDの治癒と胃酸分泌
2.胃食道逆流と酸分泌抑制薬
3.酸分泌抑制薬の使用法(初期治療,維持療法)
4.PPI治療抵抗例
5.nocturnal gastric acid breakthrough(NAB)
9.内視鏡治療の実際
A.GERDの内視鏡治療の現状
B.内視鏡的注入療法
C.内視鏡的縫合法
D.内視鏡的全層性ひだ形成法
E.瘢痕形成法(escarification)
10.外科的治療の実際
A.GERDの病態と治療法
B.GERDの手術適応
C.腹腔鏡下逆流防止手術の実際
D.逆流防止手術の成績
E.逆流防止手術の今後の課題
1.現状の問題点
2.将来的な位置付け
11.GERDとH.pyloriの感染の関係
A.GERDとH.pylori感染の疫学
B.H.pylori感染の胃酸分泌と食道運動への影響
C.H.pylori除菌によるGERDの発生
D.H.pyloriとBarrett食道および食道腺癌
12.GERDとBarrett上皮,Barrett腺癌との関係
A.Barrett上皮(食道)とは
B.Barrett上皮の診断
C.Barrett腺癌の発生機構
D.Barrett腺癌の診断
E.Barrett上皮,Barrett腺癌の取扱い
13.胃切除後のGERD
A.定義
B.発生機序
C.診断
D.治療
14.患者の疑問に答えるQ&A
年をとるとGERDが起こりやすくなるのはなぜ?/胸やけの原因はすべてGERDか?/内視鏡検査は必須か? 受ける頻度は?/処方された薬を飲んでも胸やけが改善しないが./強い薬,弱い薬とは? 薬によって副作用が違うか?/治療はいつまで続けるか?/GERDは食道癌の原因になるか? 癌にならないためには?/合併症とその対策は? 合併症を起こさないためには?/どのような時にGERDを疑うか?
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■コラム
胸やけとheartburn/S-GERD/GERD治療常識のうそ/胸くそが悪い