出版社内容情報
《内容》 種々の血液浄化療法を適切に実施するためには，装置の構造や動作原理，操作方法，トラブルの対処方法など，さまざまな知識を知っておく必要がある．本書は，コメディカルスタッフをおもな対象とし，臨床現場で必要とされる血液浄化の手技や技術を，医学的基礎知識とともに大きな図を駆使してわかりやすく解説．すぐに実践に役立つことをめざした．
《目次》
【主要目次】
第１章 血液浄化の考え方
１．血液浄化とは
Ａ．血液浄化法の定義
Ｂ．チーム医療としての血液浄化法
Ｃ．血液浄化法の種類
Ｄ．透析療法（広義）の種類とその適応
Ｅ．血液浄化法の副作用
Ｆ．血液浄化法実行に必須の技術と用具
Ｇ．血液透析の対象疾患とその適応
Ｈ．腎以外の臓器不全治療と血液浄化法
Ｉ．血液浄化法の医療安全
２．血液浄化と臨床工学
Ａ．血液浄化に利用されている分離技術
Ｂ．分離膜
Ｃ．分離器
Ｄ．専用装置とその保守管理
第２章 血液透析
１．基礎原理と適応
Ａ．原理
Ｂ．適応
２．標準的な血液回路構成
Ａ．血液透析用の血液回路
Ｂ．血液回路の素材とその特徴
Ｃ．血液透析用の血液回路と承認基準（抜粋）
Ｄ．血液回路の品質および試験法
３．血液回路と組み立て・プライミング
Ａ．透析の準備
Ｂ．血液回路の組み立てとプライミング
４．ダイアライザの種類と選択
Ａ．ダイアライザの種類
Ｂ．血液浄化膜素材
Ｃ．ダイアライザの機能分類
Ｄ．ダイアライザの滅菌
Ｅ．ダイアライザの選択
５．抗凝固薬の種類と選択
Ａ．抗凝固薬の種類
Ｂ．出血時の抗凝固
６．透析液の種類と組成
Ａ．透析液の歴史
Ｂ．透析液の基本条件
Ｃ．透析液の組成
Ｄ．透析液の剤型
７．透析液の作製（水処理システム）
Ａ．水処理の必要性
Ｂ．水処理方法
Ｃ．水処理機器
Ｄ．透析液作製とエンドトキシンの低減化
８．ブラッドアクセスと穿刺
Ａ．ブラッドアクセスの作製と管理
Ｂ．ブラッドアクセスの穿刺法
９．透析開始
Ａ．透析開始前の準備
Ｂ．開始時の確認項目
Ｃ．穿刺
Ｄ．透析開始
10．透析中の監視とチェック項目
Ａ．機械側のチェック
Ｂ．患者側のチェック
Ｃ．透析中の合併症のチェックと対策
11．透析終了
Ａ．透析終了時の確認事項
Ｂ．返血
Ｃ．変則的な透析終了方法
Ｄ．透析終了後の留意事項
12．処方技術
Ａ．濃度を上げる場合
Ｂ．濃度を下げる場合
13．モニタリング技術（1）：機械側のモニタリング
Ａ．体外循環を監視するモニタ
Ｂ．治療効率を監視するモニタ
14．モニタリング技術（2）：患者側のモニタリング
Ａ．血液透析開始前のモニタリング準備
Ｂ．血液透析開始時のモニタリング
Ｃ．血液透析中のモニタリング
Ｄ．血液透析終了時のモニタリング
第３章 血液濾過
１．原理と適応
Ａ．原理
Ｂ．適応
２．回路構成と置換補充液
Ａ．回路構成
Ｂ．置換補充液
３．体外循環技術
Ａ．ヘモフィルタとカプラとの接続
Ｂ．膜の性能維持
Ｃ．前希釈法と後希釈法
４．ECUM（体外式限外濾過法）
Ａ．原理と特徴
Ｂ．適応
Ｃ．体外循環技術
第４章 血液透析濾過
１．原理と適応
Ａ．原理
Ｂ．適応
２．回路構成
Ａ．Off-line HDFとon-line HDF
３．体外循環技術
Ａ．HDFのシステム構成
Ｂ．持続的血液透析濾過（CHDF）
Ｃ．無酢酸バイオフィルトレーション（AFBF）
Ｄ．補充液カリウム濃度の補正
第５章 血液透析濾過の変法
１．On-line HDF
Ａ．構成要素
Ｂ．On-line HF
２．Push & pull HDF
Ａ．構成要素
３．内部濾過促進型血液透析
Ａ．構成要素
４．水質管理
Ａ．エンドトキシンカットフィルタ
Ｂ．水質基準
第６章 急性血液浄化
１．種類と適応
２．ブラッドアクセス
Ａ．血管内（中心静脈内）留置カテーテル
Ｂ．動脈穿刺によるブラッドアクセス
３．回路構成と浄化器
Ａ．回路構成
Ｂ．血液浄化器
４．抗凝固薬
Ａ．未分画ヘパリン
Ｂ．低分子ヘパリン
Ｃ．メシル酸ナファモスタット
５．体外循環技術
第７章 特殊透析技術
１．小児血液浄化
Ａ．小児血液浄化とは
Ｂ．適応疾患
Ｃ．問題点と対策
Ｄ．循環血液量監視
Ｅ．症例呈示
２．病室透析
Ａ．病室透析とは
Ｂ．関連機器と物品
Ｃ．治療開始
Ｄ．治療中
Ｅ．治療終了
３．在宅血液透析
Ａ．在宅血液透析とは
Ｂ．問題点
Ｃ．その他
第８章 腹膜透析
１．原理と種類
Ａ．溶質移動の原理
Ｂ．水分移動の原理
Ｃ．腹膜を介した物質移動
Ｄ．基本的な方法
Ｅ．腹膜透析法の種類
２．腹膜透析液
Ａ．液組成
Ｂ．市販透析液
Ｃ．腹膜透析液開発の方向性
３．施行技術
Ａ．導入
Ｂ．評価と施行技術
Ｃ．腹膜透析の将来
第９章 血漿交換療法
１．種類と原理・適応
Ａ．種類と原理
Ｂ．適応
２．体外循環技術
Ａ．単純血漿交換法（PE）
Ｂ．二重膜濾過法（DFPP）
Ｃ．洗浄・充填（プライミング）
Ｄ．臨床時の操作
Ｅ．返血操作
３．置換液
Ａ．ヒト新鮮凍結血漿（FFP）
Ｂ．ヒト血清アルブミン
第10章 吸着療法
１．吸着療法の基礎
Ａ．吸着療法とは
Ｂ．吸着療法の回路構成
Ｃ．吸着器の分類
Ｄ．適応疾患
Ｅ．抗凝固薬の使い方
Ｆ．血液充填量による生体への影響
Ｇ．回路内圧計の読み方
２．種々の吸着療法
Ａ．活性炭吸着法
Ｂ．脂質吸着法
Ｃ．免疫吸着法
Ｄ．ビリルビン吸着法
Ｅ．エンドトキシン吸着法
Ｆ．β2-ミクログロブリン吸着法
Ｇ．白血球除去療法（LCP）
付録 血液浄化療法の診療報酬請求および保険適用
１．外来患者の血液透析の場合
２．外来患者の血液濾過，血液透析濾過の場合
３．入院患者の人工腎臓（血液透析，血液濾過，血液透析濾過）の場合
４．外来患者の在宅自己腹膜灌流（CAPD）の場合
５．血漿交換療法の場合
６．吸着式血液浄化療法の場合
７．血球成分除去療法の場合
●診療報酬一覧
Ａ 血液浄化療法の診療報酬：処置料
Ｂ 血液浄化療法の指導管理料
Ｃ 血液浄化療法の特定保険医療材料価格
Ｄ 血液浄化療法に用いる主な注射薬剤の薬価
Ｅ 血液浄化療法の手術点
内容説明
本書は、血液浄化療法に携わるチームが知っておくべき知識、病態の理解、治療法の原理から、特殊血液浄化法の解説までを取り上げ、各領域の専門家に、わかりやすくかつ治療を実行するなかで必要な細部に至る注意点を執筆していただいた。
目次
第１章 血液浄化の考え方
第２章 血液透析
第３章 血液濾過
第４章 血液透析濾過
第５章 血液透析濾過の変法
第６章 急性血液浄化
第７章 特殊透析技術
第８章 腹膜透析
第９章 血漿交換療法
第１０章 吸着療法
付録 血液浄化療法の診療報酬請求および保険適用
著者等紹介
秋葉隆［アキバタカシ］
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科教授
峰島三千男［ミネシマミチオ］
東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化療法科助教授・臨床工学部運営部長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
