出版社内容情報
《内容》 臨床現場で活用できるように実際的な内容を簡潔にまとめた薬理学の教科書.今改訂では,イオンチャンネルとトランスポーターの章を新設するとともに,ゲノム創薬などの新しい薬の開発環境を視野に入れ,薬理学の基礎から応用までの最新情報を盛り込みさらに充実.2色刷の図表を多用し,薬理学の最新エッセンスを容易に理解できる構成となっている.
《目次》
【主要目次】
第1章 総論
1 薬理学とは
2 薬の作用様式と作用機序
薬の作用点
薬の作用強度を規定する諸因子
3 薬の生体内動態
薬の吸収
薬の生体内分布
薬の代謝
薬の排泄
薬物トランスポーター
4 薬はどのようにして創られるか
新薬開発と臨床試験
ゲノムDNA創薬
プロテオミクスからの創薬
第2章 生体内情報伝達総論
細胞における情報の受容と応答―概観
細胞膜受容体に共通の機能
細胞情報伝達の基本原理
受容体の構造と機能各論
細胞内情報伝達系の上流部
細胞内情報伝達系の中流から細胞作業装置まで
第3章 イオンシグナル―イオンチャネルとトランスポーター
1 イオンチャネル
カルシウムイオン
カリウムイオン
ナトリウムイオン
クロライドイオン
2 イオントランスポーター
第4章 生理活性物質
1 アセチルコリン
2 カテコラミン
3 セロトニン
4 ヒスタミン
5 神経性アミノ酸
γ-アミノ酪酸
グリシン
興奮性アミノ酸
6 生理活性ペプチド
ニューロペプチド
循環ペプチド
7 NO(nitric oxide)
8 エイコサノイドとその他の脂質メディエーター
エイコサイノド
脂質メディエーター
9 サイトカインとケモカイン
サイトカイン
ケモカイン
10 ビタミン
脂溶性ビタミン
水溶性ビタミン
第5章 末梢神経薬理
末梢神経の構造と機能
末梢神経作用薬の分類
1 アドレナリン作用薬
カテコラミン
非カテコラミン・アドレナリン作用薬
2 抗アドレナリン作用薬
アドレナリン受容体遮断薬
アドレナリン作用性神経遮断薬
3 コリン作用薬
ムスカリン受容体作用薬
コリンエステラーゼ阻害薬
4 抗コリン作用薬
5 神経節・神経筋接合部作用薬
神経節作用薬
神経筋接合部作用薬
6 局所麻酔薬
第6章 中枢神経薬理
1 抗精神病薬
2 抗うつ薬と抗躁薬
抗うつ薬
抗躁薬
3 Parkinson病治療薬
付.神経変性疾患治療薬
4 抗痴呆薬,脳循環・代謝改善薬
抗痴呆薬
脳循環・代謝改善薬
5 中枢興奮薬
6 抗痙攣薬・中枢性骨格筋弛緩薬
抗痙攣薬
中枢性骨格筋弛緩薬
7 抗不安薬
8 催眠薬
9 全身麻酔薬
吸入麻酔薬
静脈麻酔薬
10 麻薬性鎮痛薬
痛みの発生とその抑制機構
内因性オピオイドペプチドとその受容体
オピオイドおよびその関連薬
鎮痛補助薬
11 薬物の耐性と依存性
依存性薬物
第7章 循環器薬理
1 心臓作用薬
抗不整脈薬
心不全治療薬
抗狭心症薬
2 高血圧治療薬およびその他の血管系作用薬
高血圧治療薬
低血圧治療薬,昇圧薬
末梢循環改善薬
3 血液・造血器系作用薬
血液凝固・血栓形成と血栓溶解
止血薬
抗血栓薬
造血薬
付.輸 液
第8章 腎臓薬理と泌尿器・生殖器作用薬
1 腎臓の機能
体内の水・電解質
尿生成
尿生成に影響するホルモン
2 利尿薬
3 泌尿器・生殖器作用薬
排尿障害治療薬
前立腺肥大症治療薬
PDE5阻害薬
子宮収縮薬
子宮弛緩薬
第9章 呼吸器・消化器作用薬
1 呼吸器作用薬
呼吸興奮薬
鎮咳薬
去痰薬
気管支拡張薬
気管支喘息治療薬
2 消化器作用薬
消化管機能の調節機構
胃に作用する薬
腸に作用する薬
肝臓・胆道・膵臓に作用する薬
第10章 免疫・炎症薬理
1 免疫抑制薬と免疫刺激薬
免疫抑制薬
免疫刺激薬
抗アレルギー薬
2 抗炎症薬およびその関連薬
炎症のなりたち
非ステロイド抗炎症薬
解熱鎮痛薬
ステロイド抗炎症薬
抗リウマチ薬
関節機能改善薬
第11章 ホルモンと代謝性疾患治療薬
1 ホルモン
視床下部および下垂体ホルモン
甲状腺ホルモンおよび抗甲状腺薬
膵臓ホルモン
副腎皮質ホルモン
抗副腎皮質ホルモン薬
性ホルモン
副甲状腺ホルモンおよびカルシトニン
2 代謝性疾患治療薬
糖代謝―糖尿病治療薬
脂質代謝―高脂血症治療薬
プリン代謝―高尿酸血症・痛風治療薬
骨代謝―骨粗鬆症治療薬
第12章 化学療法
1 抗感染症薬
化学療法薬概説
サルファ薬
抗結核薬
β-ラクタム系抗生物質
その他の抗生物質
ピリドンカルボン酸系合成抗菌薬
抗ウイルス薬
抗真菌薬
付.消毒薬
2 抗腫瘍薬
アルキル化薬
代謝拮抗薬
抗腫瘍性抗生物質
微小管阻害薬
ホルモン類
白金製剤
分子標的治療薬
第13章 臨床薬理学
1 ヒトにおける薬物反応性
2 臨床薬物動態学
薬物動態理論
薬物動態の種差
ヒトにおける薬物動態
3 薬理遺伝学
4 発達および老人薬理学
5 薬物相互作用
6 薬の適用法と処方学への導入
7 薬物療法の個人別化―TDMと薬物投与設計
8 病態時における薬物動態
9 薬の有効性と安全性
●付録1●一般名→商品名対照表
●付録2●商品名→一般名対照表
和文索引
欧文索引
内容説明
総論的項目では、薬理学の基本概念に加えて21世紀の創薬の可能性を示した。薬の作用点として重要な生理活性物質とその生体内情報伝達系メンバーの分子構造や遺伝子情報から薬と生体の分子レベルの相互作用を解説することに努めた。特に、イオンシグナルについては新たに章をもうけて詳述した。各論は薬物療法の適応となる病気について臨床症状と病因について解説し、疾患遺伝子とその変異に関する情報を加えた。できる限り新たに解明された薬の作用機序による分類を試み、主に臓器別薬物療法として再編成した。
目次
総論
生体内情報伝達総論
イオンシグナル―イオンチャネルとトランスポーター
生理活性物質
末梢神経薬理
中枢神経薬理
循環器薬理
腎臓薬理と泌尿器・生殖器作用薬
呼吸器・消化器作用薬
免疫・炎症薬理
ホルモンと代謝性疾患治療薬
化学療法
臨床薬理学
著者等紹介
田中千賀子[タナカチカコ]
神戸大学名誉教授・兵庫県立高齢者脳機能研究センター名誉所長
加藤隆一[カトウリュウイチ]
慶応義塾大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。