内容説明
『緋文字』というアメリカ文学の作品に見え隠れする“もの”の姿が、“たましい”の表象として、いかにヨーロッパ=アメリカの精神史の中で鮮やかな光芒を放ち、深い意味をたたえるものであるか。アメリカ文学研究の立脚点を深く掘り下げ、“タペストリー”を軸に中世・ルネサンス以降の豊富な視覚表象の地下水脈を探求する。
目次
プロローグ ホーソーンとイギリス・ルネサンス精神史
『緋文字』とルネサンスの文化表象
ホーソーンと工芸美術としての“タペストリー”
『緋文字』と“タペストリー”
チリングワースのゆくえ―“墓石”の図像を読む
“メランコリー”の表象―ルネサンス精神史の新しい展開
Mistress Prynne―“罪と罰”の寓意像
『緋文字』とアーサー王伝説に見る女の埋葬
“真珠”の図像学(“パールのゆくえ”への新しい考察;『緋文字』を読む新しいコンテクスト)
エピローグ ホーソーンと十七世紀ヨーロッパをつなぐもの
著者等紹介
入子文子[イリコフミコ]
1942年岡山県に生れる。1965年お茶の水女子大学英文科卒業。1979年甲南大学大学院(英文修士)修了。関西大学文学部教授
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