内容説明
綾鹿市動物園で行われるチタクロリンのコンサート。予想以上の集客で混乱する中メンバーの飯岡十羽が撫でようとしたレッサーパンダに指をかみ切られてしまう。チーフ警備員の古林新男は綾鹿署の刑事・谷村の聴取に応じるうちになし崩し的捜査に協力していく。そして関係者次々に襲われて指を切断される事件が続いていく。
著者等紹介
鳥飼否宇[トリカイヒウ]
1960年福岡県生まれ。九州大学理学部卒業。2001年『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。2016年『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞・小説部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪紫
61
動物園でアイドルの指が食いちぎられたことから発生した連続指切り事件+殺人事件。生きたまま指を切られる事件にもし自分がこうなったらと思うと、背筋がゾワーっと寒くなる(むしろそこばかりに頭いってた)。人間関係ドロドロ過ぎて、探偵役の古林と彼に頼りきりな刑事コンビのやりとり(後彼と同僚達)が一種の清涼剤というか癒やしに見えてきた・・・。2022/05/26
うまる
33
動機などの予想が全然付かないまま立て続けに起こる指切り事件に、これは解決するのか?と心配になりましたが、タイトル通りパズルのように各々の企みがカチっとハマる感じが清々しかったです。最終的な真相が、指切りの血みどろ以上にドロドロしていたのにも驚きました。ってかそんなの誰もわかんないよ~!でも誰かが指を失う度に、その指がなくなったら…みたいなくだりがヒントだったのかな。主人公が、にわかなのに生粋のドルオタだと思われてる所が面白かったです。2022/01/13
カノコ
32
動物園で行われたアイドルのイベント中、メンバーの一人がレッサーパンダに指を噛み千切られた。その後、事件の関係者が次々に指を切断される。警察が動物園の警備員に捜査や取り調べを協力依頼するところなど、突っ込みどころは色々とあるが、それに目をつぶればとても楽しく読んだ。連鎖する事件、次々に切断されていく指、それらの理由がピタリとハマっていく様はまさに「指切りパズル」。煽り文句にあるような「人間を描く」を実践した作品とは思わないが、伝染した悪意にはゾクゾクした。何より、読後に読み返すプロローグがとても効いている。2021/11/21
きっしぃ
30
動物園で起こった、3人組アイドルの1人がレッサーパンダに指を食いちぎられるという事故から、そのアイドルや周辺の人物が指を切られる事件が連続する。人差し指、中指、親指…と、なぜ指が切られるのか、そして犯人は…。動物園の警備員の主人公に捜査情報漏らしすぎな警察は現実味なさすぎだけど、なぜその指が切られたのか、連鎖する事件の真相に最後まで楽しく読めた。隠蔽人類に比べると、トンデモ度は低めだったので、またああいうやつが読みたいなー。2022/03/09
二分五厘
26
綾鹿市動物園でイベント予定だった三人組アイドルユニット・チタクロリンの一人が、人差し指をレッサーパンダに食いちぎられる。それを皮切りに動物園・チタクロリン関係者に次々指を切られる事件が発生、そしてそれは殺人事件にまで発展していく。事件の渦中にいた動物園の警備員・古林新男は、なし崩しに捜査協力していくことになるが。さすが綾鹿市、警察までもがなぁなぁ(笑)一般人に尋問させるて。事件はバラバラで行き当たりばったり、犯人も明らかになるはずなのに感じる違和感。最後に判明する、事件を通した裏の悪意に読後感は良くない。2022/08/03
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