内容説明
ビッグバンの下で改めて投資家の自己責任とは何かが議論されている。その場合、重要なことは、わが国において投資家の自己責任とされているもののほとんどのケースが、アメリカンスタンダードの下では業者の自己責任とされていることである。本書は、この違いを示すために、アメリカで実際に起こった証券・先物取引事件において明示された、証券取引委員会、先物取引委員会および判例の法的判断をそのまま紹介。これらの実例から得られる結論は、わが国における投資家の自己責任という言葉が、証券業界や先物業界によっていかに詐欺的に用いられているかということであり、さらに深刻なのは、この言葉が、行政や裁判所にまで深く浸透し、定着していることである。
目次
第1部 証券取引事件(アリングトンv.メリル・リンチ証券;メリル・リンチ証券の件;クラークv.ジョン・ラムラ投資会社 ほか)
第2部 商品先物取引事件(スイッカードv.エドワード;シュミーゲルv.カーミン;ジャコブセンv.メリル・リンチ証券 ほか)