内容説明
日本とは地理的な違いとともに、歴史的・文化的にも大きく異なるラテンアメリカ地域において、アジアの一隅で形成された日本的経営方式は、どのような形で移植されるのであろうか。本書は、ラテンアメリカ地域における日系企業を、日本多国籍企業研究グループ(JMNESG)が開発してきた「適用・適応のハイブリッド」モデルによって調査分析した結果である。経営環境の差異が大きく見える地域間の比較研究の成果は、海外における関連企業の経営の成否が、本体の業績に大きく影響を及ぼす時代において、特別の意味を持っている。さらに、NAFTA、メルコスルといった、各種地域経済協定が経営に及ぼす影響を、現地における豊富な企業活動の実態調査を通して明らかにしている。
目次
ラテンアメリカにおける日系企業の調査分析視点
第1部 ラテンアメリカの経済・社会環境の変容と現状(ラテンアメリカにおける工業化と多国籍企業;ラテンアメリカの社会・労働環境と労使関係;ラテンアメリカにおける地域統合への動き)
第2部 ラテンアメリカにおける日系ハイブリッド工場の地域分析(ラテンアメリカ日系ハイブリッド工場の平均像と世界比較;メキシコの日系工場;ブラジルの日系工場;アルゼンチンの日系工場)
第3部 ラテンアメリカで活躍する企業のケース分析(自動車産業;電機産業;帝国石油のベネズエラを中心とした中南米事業展開)
ハイブリッド分析のまとめとラテンアメリカ市場における日系企業の戦略
著者等紹介
山崎克雄[ヤマザキカツオ]
1944年生まれ。1967年慶應義塾大学経済学部卒業と同時に古河電工に勤務。二十数年間は国際ビジネスに従事。2000年米国フロリダ州・Nova Southeastern University経営大学院博士課程修了。国際経営学博士。広島大学非常勤講師を経て、2001年より静岡産業大学経営学部助教授。2007年より教授
銭佑錫[ゼンウソク]
1966年生まれ。1988年ソウル大学校国際経済学科卒業。1990年ソウル大学校大学院国際経済学修士。1991年~1993年韓国対外経済政策研究院(KIEP)にて研究員として勤務。1996年、東京大学大学院経済学修士。2000年、同大学院博士課程単位取得後退学。2000年より中京大学経営学部専任講師。2003年助教授を経て、2007年より准教授
安保哲夫[アボテツオ]
1937年生まれ。1967年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。1965年~1998年法政大学社会学部助教授を経て東京大学社会科学研究所教授。1998年~現在、帝京大学経済学部教授を経て帝京平成大学現代ライフ学部教授、東京大学名誉教授。1984年~現在、ベルリン自由大学、早稲田大学、レンヌ大学1などの客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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