内容説明
バブル経済崩壊後の日本経済は、都市銀行や、大手証券会社、生命保険会社の経営破綻が相次ぐ等、まさに金融恐慌の様相を呈していました。本書は、このような金融不況やアジアの通貨危機等、金融的要因によると思われる経済の不安定性や景気循環を、ケインジアンの視点から検討したものです。とりわけ、ミンスキーの金融不安定性仮説を基に、カルドアやグッドウィン等の非線形経済動学の手法を用いて考察しています。本書は、金融論の研究者や大学院生を主たる読者として想定しています。
目次
第1章 マクロ経済学と金融
第2章 ミンスキーの金融不安定性仮説とウォルフソンの金融恐慌論
第3章 金融不安定性仮説の理論構造
第4章 金融不安定性のマクロ動学:展望
第5章 カルドア型循環モデルと金融の不安定性
第6章 ミンスキー的循環
第7章 ケインズ・グッドウィンモデルにおける金融の不安定性
第8章 負債荷重と金融政策
第9章 国際資本移動と金融危機
第10章 金融不況と金融恐慌
著者等紹介
二宮健史郎[ニノミヤケンシロウ]
滋賀大学経済学部教授、博士(経済学)神戸大学。1967年大分県大分市に生まれる。1995年神戸大学大学院経済学研究科博士課程後期課程中途退学。滋賀大学経済学部助手。1998年滋賀大学経済学部助教授。2003年リンカーン大学商学部門(ニュージーランド)客員研究員(2005年まで)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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