地域銀行の償却・引当―制度と実証

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地域銀行の償却・引当―制度と実証

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  • サイズ A5判/ページ数 388p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784502502811
  • NDC分類 338.54
  • Cコード C3034

出版社内容情報

日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者の償却・引当に関するインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を提示。

内容説明

バーゼル銀行監督委員会は、概念的には、与信ポートフォリオの期待損失に対しては貸倒引当金で対応し、非期待損失に対しては自己資本で対応するという考え方を示している。そのため、各国の監督当局は、前者については資産査定と償却・引当の制度を整備し、後者については自己資本比率規制を課している。日本では、1998年4月に早期是正措置制度が導入され、それに伴って、(1)資産査定と償却・引当の制度、(2)バーゼル銀行監督委員会の定める基準に準拠した自己資本比率規制の規定、(3)ディスクロージャー制度が整備されている。この制度的枠組みは、銀行経営者に特定の目的のために貸倒引当金(繰入額)を調整するインセンティブを付与している可能性がある。銀行経営者が、機会主義的に貸倒引当金(繰入額)を調整したり、私的情報を市場に伝達するために貸倒引当金(繰入額)を調整したりできるのであれば、健全性規制の有効性が失われるかもしれない。そこで、本書は、日本の制度的枠組みのもとでの銀行経営者の償却・引当に係るインセンティブ構造を明らかにしたうえで、地域銀行経営者の償却・引当行動に関する経験的証拠を示す。

目次

問題の所在と本研究の構成
第1部 制度編(銀行の経済的機能と監督当局の役割;米国の金融制度と先行研究;日本の銀行の資産査定と償却・引当の制度;日本の銀行の自己資本比率規制;日本の銀行のディスクロージャー制度)
第2部 実証編(貸倒引当金モデルの構築;キャッシュ・フロー見積法による引当が貸倒引当金に及ぼす影響;貸倒引当金繰入額モデルの構築;利益平準化仮説、自己資本比率調整仮説およびシグナリング仮説の検証;個別貸倒引当金繰入額のシグナリング仮説の検証;業務純益平準化仮説の検証;フォワードルッキング情報と貸倒引当金)
総括と今後の課題

著者等紹介

梅澤俊浩[ウメザワトシヒロ]
1999年早稲田大学商学部卒業。2023年龍谷大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。