内容説明
「組織経営の在り方が大きく変わりつつある。多くの人が人生の大部分を費やす組織生活が、その人の幸福の重要な要素であることは疑いない。そして従業員が幸福になることが、ひいては組織目的の達成に寄与することが理解されつつある」。本書において、筆者はこれを実現する新たな管理会計の姿として「自律創造型コントロール」を提唱している。自律創造型コントロールは、従業員の行動を指示強制するのではなく、彼らを自律的に動機づけながら、それぞれが創造的な役割を果たすことで、共通の目的を達成することを可能にするコントロールの在り方である。第1部(第1章~第4章)において理論的基礎に関する先行研究を整理し、第2部(第5章~第7章)でマルト水谷、コマツ、LIXILといった企業の具体的な実践例を検討し、自律創造型コントロールの設計と構築プロセスについて考察している。最後の第8章では、自律創造型コントロールとしての管理会計の構築に向けて、第1部・第2部から得られた洞察を整理し、今後の見通しを示している。
目次
第1部 自律創造型コントロールの理論的基礎(マネジメント・コントロール;コントロール・システムの機能性を決定づけるコントロール要素間の関係性;自律的動機づけと創造性とコントロール・システム;自律創造型コントロールとは何か)
第2部 自律創造型コントロールの実践(マルト水谷におけるアメーバ経営;コマツにおけるSVM管理と管理会計改革;LIXILにおける管理会計の変革;自律創造型コントロールへと進化する管理会計)
著者等紹介
浅田拓史[アサダヒロフミ]
大阪経済大学情報社会学部教授、京都大学博士(経済学)、公認会計士。1982年兵庫県神戸市に生まれる。2001年兵庫県立兵庫高等学校卒業。2005年京都大学経済学部卒業。2010年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程退学。2010年大阪経済大学経営情報学部専任講師。2012年同情報社会学部専任講師(学部改組による)。2013年同准教授。2023年より現職。主要業績:「日本電産株式会社の経営改革と管理会計―知識創造理論の視点から」『管理会計学』(第21巻第2号、2013年、共著、日本管理会計学会学会賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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