出版社内容情報
本書は、発生主義会計の優位性の源泉と、その潜在的な弱点を把握したうえで、財務会計に期待される利害調整機能と情報提供機能に対して、利益調整が及ぼす影響について考察。
内容説明
本書は、発生主義会計の優位性の源泉と、その潜在的な弱点を把握したうえで、財務会計に期待される利害調整機能と情報提供機能に対して、利益調整が及ぼす影響について考察する。利害調整機能については、主として株主と経営者の利害関係に焦点を当て、利益調整がエイジェンシー・コストに及ぼす影響について分析する。他方、情報提供機能に関しては、企業による利益調整が市場での株価形成を誤導している可能性を中心に、多数の実証分析の結果を集約しつつ、効率的市場仮説の近似的な現実妥当性について考察する。併せて、会計方針や会計上の見積りをめぐる財務報告の制度設計に対する含意や、過大な利益調整を牽制するために公認会計士が果たすべき役割、および学術研究論文によって惹起される裁定取引が価格形成の効率性を高めて市場機能を促進する可能性にも言及する。
目次
第1章 利益調整
第2章 発生主義会計の優位性の源泉
第3章 発生主義会計の潜在的な弱点
第4章 財務報告の機能と制度
第5章 利害調整機能
第6章 情報提供機能
第7章 効率的市場仮説
第8章 利益調整による株価形成の誤導
第9章 財務報告の制度設計
第10章 株価・会計情報研究の役割
著者等紹介
桜井久勝[サクライヒサカツ]
1975年神戸大学経営学部を卒業し、神戸大学大学院経営学研究科へ進学。2022年昭和女子大学特命教授となり現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。