内容説明
2000年以降、会計学界で注目を集めてきたテーマのひとつは、会計基準のコンバージェンスにより数多くの基準が新設・改訂されたことである。こうした変動期において海外の動向を把握することは重要であるが、本書では、それだけにとどまらず、会計基準の変更が会計上の基礎概念にどのような影響を与えるのか(与えないのか)、それとは逆に基礎概念のあり方により個々の会計基準は変更を受けるのかについて考察する。具体的には、実務で生じた例外的ケースをとり上げ、それが一般的なルールとどのような関係にあるかを考察することを通じて、資本会計の基礎概念を究明していく。結論として、会社の資産や負債から定義をはじめる資産負債アプローチだけでは不十分であり、株主の観点から資本や利益・会社のあり方を説明する必要があることを明らかにする。
目次
問題意識と構成
第1部 エンティティーと持分概念の基礎(エンティティーと持分概念;資本会計の問題点)
第2部 負債・持分識別問題(負債・持分識別問題の論点―概念フレームワークの解釈とその再検討;決済方法と識別方法の複雑化―持分概念の限定と負債概念の拡張;負債・持分識別問題の再検討と持分の定義―アメリカとヨーロッパにおける考え方の違い;一部現金で決済される転換社債と転換損益の性格―既存株主からの富の転移と会計上の利益計算;概念フレームワークと負債・持分の識別問題―自社株式を対象とした売盾プット・オプションを題材として)
第3部 企業再編会計(フレッシュ・スタート法の適用可能性;企業結合会計基準の運用と課題―支配の主体と対象をめぐって;企業結合とバイアウトの会計基準;企業分割会計の現状と課題;企業結合とのれんの会計;のれんの減損ルールとその運用)
結論と課題
著者等紹介
山田純平[ヤマダジュンペイ]
1974年千葉県生まれ。1999年東京大学経済学部経営学科卒業。2005年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。駒澤大学経営学部専任講師。2009年駒澤大学経営学部准教授。2011年明治学院大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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