内容説明
バリュー・ドライバーがインタンジブルズ、CSRなどにシフトしつつある現在、企業の伝統的な財務情報がもつ企業価値説明能力が著しく低下している。ステークホルダーへのインフォームド・ジャジメントを可能にし、かつ情報の非対称性を解消するためには、財務報告を「会計の最終章」として位置づけ、財務報告制度その他のインフラストラクチャーの整備を行うとともに、情報開示の多様化問題、過重負担問題などについて整理し、財務報告をめぐる諸問題に対して企業会計はどう対応できるのか、またどう対応しなければならないのかについて根本から問い直す必要がある。
目次
第1部 財務報告の変革に関する研究の意義と視点(財務報告の変革に関する研究の意義;制度の視点からの財務報告の棚卸しと現状分析;史的分析の視点からの税務報告の棚卸し;欧米の財務報告制度からの知見;実証研究の視点からの財務報告の分析)
第2部 財務報告の変革にむけての提言(財務報告の変革のあり方―FRからEBRへ;財務報告の変革のための企業価値評価モデル)
第3部 財務報告の変革とEFR(財務報告の変革と基礎概念;EFRの目的;財務報告の意思決定有用性;財務報告のコスト・ベネフィット;財務報告の変革における過重負担と複雑性)
総括と展望
補論(財務報告基準の視点;SEC座談会;AICPA座談会)
著者等紹介
広瀬義州[ヒロセヨシクニ]
早稲田大学教授・商学博士(早稲田大学)。著書に『会計基準論』(中央経済社・1995年、平成7年度日本会計研究学会・太田賞受賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。