内容説明
本書は、組織間マネジメント・コントロールについて、「欧米の研究のキャッチ・アップ」と「新たな視点の提供」を目的にまとめた研究書である。前者の検討を通して、従来の日本企業の特徴であった長期的で安定的な取引関係のみならず、環境変化などの取引上のリスク要因の影響を考慮した取引関係の実態が理解できるようになる。また、後者に関しては、そもそも組織間マネジメント・コントロール研究が日本企業を起点としていることもあり、日本で蓄積されてきた先行研究から大きな知見を得られることが可能となる。これらの目的を達成すべく、日本企業を対象とした質問票調査によるデータを利用して、実証的に検討・解明している。
目次
第1部 組織間マネジメント・コントロールの設計(組織間マネジメント・コントロールの設計に関する研究の現状と課題;取引相手の選択基準と探索努力との関連性;組織間における契約の諸側面とその関連性)
第2部 組織間マネジメント・コントロールの運用(組織間マネジメント・コントロールの運用に関する研究の現状と課題;組織間における相互浸透・問題解決とその影響要因;取引経験と探索努力が組織間協働に与える影響)
第3部 組織間マネジメント・コントロール研究の新展開(組織間マネジメント・コントロール研究とわが国の管理会計領域の役割;組織内部の要因が組織間の情報共有に与える影響)
終章 到達点と残された課題
著者等紹介
坂口順也[サカグチジュンヤ]
名古屋大学大学院経済学研究科教授、博士(経営学)。1971年大阪府に生まれる。1995年立命館大学経営学部卒業。1997年立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。2000年神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。2003年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了、同年関東学園大学経済学部講師、2005年助教授。2006年関西大学大学院会計研究科助教授、2007年准教授、2012年教授。2017年より現職。公認会計士試験試験委員(2018年から2022年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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