内容説明
本書では、原発会計を「内」と「外」の観点から分析している。「内」の観点とは、原発会計をめぐる議論に関する実務的観点からの検討であり、「外」の観点とは、実務からは離れた理論的な観点からの検討である。これらの分析によって、実際は原発政策には非科学的で非合理的な部分が少なからず含まれている点があることや、原発に関しては定量的な議論とあわせて非定量的な要素(たとえば科学的な議論が特定の利害関係者と結びついていないかや、弱者や被害者をどのように配慮するか等)を重視した議論をすべきであることを導く。
目次
第1部 原発会計の内(「原発は安い」という言説;「東京電力は債務超過にできない」という言説;「責任と競争の両立」という言説;「廃炉を円滑に進めるための会計制度」という言説)
第2部 原発会計の外(原発会計の可塑性;原発事故の経済化)
著者等紹介
金森絵里[カナモリエリ]
1974年生まれ。1996年京都大学経済学部卒業、2000年同大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。イギリス・カーディフ大学カーディフ・ビジネス・スクールPh.D課程を経て、2008年Ph.D(カーディフ大学)。立命館大学経営学部専任講師、助教授、准教授を経て、立命館大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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