内容説明
新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の感染拡大は、経済にどのようなダメージを与え、どのような変化をもたらしたのか。さまざまなデータと分析により実態と課題を浮き彫りにする。
目次
第1章 コロナショックと日本経済―日本は危機をどう乗り越えるのか
第2章 コロナショックと日本の医療体制
第3章 感染症モデルと経済―自発的ステイホームの役割
第4章 コロナショックの産業面・地域面への影響
第5章 新型コロナに対する韓国社会の対応―情報、介入、社会的コスト
第6章 コロナショックと企業退出―実証事実と政策評価
第7章 コロナショックによる労働市場の変化
第8章 コロナショックと働き方
第9章 コロナ後の経済政策レジームを考える
著者等紹介
宮川努[ミヤガワツトム]
学習院大学経済学部教授。博士(経済学、一橋大学)。東京大学経済学部卒業、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)、一橋大学経済研究所を経て現職。専攻はマクロ経済学、日本経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
41
新進気鋭の英語論文をばりばり書き、経済学の最先端のツールで分析している好著。第1章の図表1-4危機における日本政府の対応の問題点で、新型コロナウイルスによる危機は、全体の感染者数が把握できず。海外製PCR検査キット採用に消極的。デジタル化の遅れを指摘される(12頁)。昨年8月以降の自己都合退職による失業は急上昇。リストラの影響もあるか、という(120頁)。ともかく、コロナ禍はまだ予断を許さない。第6波も冬場、懸念される。私もマスクしていない生徒がいる空間で移されるかもしれない。。気を抜けない。 2021/11/06
ゲオルギオ・ハーン
25
2020年におけるコロナ禍の経済的影響を統計をもとに分析した一冊。合計で13人の研究者が執筆されています。身の回りのことは日々感じながら感想を持てるけど、他の業種や地域のことは先入観やネットやニュースくらいでしか情報を得られないのでとても興味深い内容でした。特に気になったのは情報通信インフラの整備が進んでいないことによる、在宅勤務率の低い水準と出来たとしても生産性の低下が避けられないこと、企業も変化に対応できるところとうまくできないところで業績に差が出てしまっているところが明確に出ている点でした。2021/06/16
おせきはん
23
新型コロナウイルスの医療体制、産業・地域への影響、労働市場、働き方などへの影響を論じています。データに基づく分析がベースになっているので、納得感がありました。特に、新型コロナウイルスの患者受け入れが医療機関の経営に与える影響については、もっとオープンに議論した方がよいと思いました。2021/04/29