内容説明
上場会社で起きた大規模な不祥事が表面化し、企業価値を大きく毀損する事例が後を絶ちません。不祥事の存在やその端緒を把握した企業が必ず行うのが「社内調査」です。的確な社内調査を行うことができれば、その後の対応も円滑に進めることができますが、実際はうまくいっていないケースが散見されます。そこで、本書では不祥事に直面した企業が行う「社内調査」に焦点を当て、プロアクト法律事務所が蓄積した知見・経験をもとに、徹底的に実務目線でノウハウを解説しています。
目次
第1章 総論
第2章 調査対象事実
第3章 調査体制と調査環境
第4章 調査計画の策定
第5章 客観的証拠の保全・収集・検証
第6章 関係者ヒアリング
第7章 役職員アンケートと専用ヘルプライン
第8章 調査報告書の作成
第9章 調査終了後の対応
第10章 不正行為の類型別の留意点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
4
不祥事発生の際の対応原則と類型別の留意点を記載する。実際の不祥事対応における調査対象事実の確定に始まり、調査体制の組成方法、客観証拠の集め方、関係者ヒアリングの方法、そして調査報告書の書き方に至るまで、時系列に沿って必要な事項が記載されている。また、対応原則については、上場会社における不祥事対応のプリンシプルを引用しながら、その記載を具体化する形で説明がなされており、頭に入ってきやすいと思う。不祥事の社内調査に関する実務ノウハウを記載した本は中々ないため、参考になる部分が多いと感じた。2021/04/15
ケンサン
1
事実認定:①客観証拠から「客観的事実」認定→招集メール、議事録、関係者供述の一致②当事者の言い分が食い違う事実関係について→「客観的事実」や、その他の証拠との整合性、供出内容の合理性·一貫性·具体性等から「事実認定」/グレー認定→可能性が高い、相当程度の疑いがある、が事実と認定できない。安易に走らない!/社内共有→経営陣へのバッドニュースファースト、監査役や社外役員の視点·助言の重要性、経営判断の主体?/根本原因究明、再発防止、ステークホルダーへの説明、対外公表、適時開示、社内処分、経営責任2022/11/29
しんぽい
0
企業の調査部門や、事案が発生し、何もわからない状態で調査担当になった人の参考本として良い本だと思う。 不正事例をもう少し取り入れてくれてたら、尚良かったが。2021/09/05