内容説明
EPC契約実務の勘所を押さえる1冊。契約書に盛り込むべき条項例を丁寧に解説。海外向けプラント建設、機器供給の契約内容のチェック・交渉、納期延長や追加費用に関する適切なクレーム対応などに役立つ。
目次
第0章 なぜ、EPC契約は難しいのか?その難しさを本書はどう解決するのか?
第1章 EPC契約の基礎
第2章 英文契約の頻出表現と条文の「型」
第3章 EPC案件における巨額損失事例(コストオーバーラン)の原因と対策
第4章 契約上の手当およびその運用上の注意点
第5章 下請(サブコン・サプライヤー)との契約上の注意点
第6章 プラント用機器供給契約における注意点
著者等紹介
本郷貴裕[ホンゴウタカヒロ]
英文契約の個別指導・社内研修講師。東北大学工学部機械知能学科卒業。一橋大学法学研究科修士課程修了。株式会社東芝で企業法務として海外に発電所を建設するプロジェクト、国際仲裁案件、海外企業買収案件等多数の海外案件に携わる。その後独立し、海外案件で活躍する日本人を育成したいと思い、英文契約、特に海外でプラント・インフラ・その他の建設契約のチェックの仕方について指導する本郷塾を立ち上げる。これまで重電メーカー、重工メーカー、プラントエンジニアリング企業、建設会社、および総合電機等の営業・技術・法務部門を対象に個別指導・社内研修を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hatann
7
EPC契約の日本語の解説本としてはほぼ唯一のものと思われる。著者は本郷塾というウエブサイトを開設して英文契約書のイロハと複雑なEPC契約について契約書分析を啓発している。プラント業界での知識に裏打ちされ、紛争になりやすいポイントをしっかりと押さえる。EPC契約は典型的な不完備契約であり、どこまで細かくリスクを分配するか、分配できないリスクをどのように処理するかについて最大限把握しておく必要がある。基本条文の構造について丁寧な説明を施しているが、むしろ様々なパターンのサンプル条文が用意されるとよかったか。2022/02/18
ちくわ
2
EPC契約の解説本。EPC契約を学ぶにあたっては、FIDICフォームを紐解くというのが実務上の定石だと思うが、そのアプローチを除いて、中々、日本語で学べる本というのはなかったと思う。そのような中で、本書は、日本語でEPC契約のポイントが学べるというのは貴重な本だと思う。本書の特徴としては、実務的なオンザジョブトレーニングで学ぶノウハウというものを言語化した本という印象であり、実務から入った人には頷く点も多いと感じる。既存のフォームとの関係性は書かれていないものの、この分野の初学者には良い本だと思う。2021/04/08