内容説明
我が国では、刑法犯の犯罪情勢は全体的には改善傾向にある。それに対して深刻な状況にあるのが、高齢者による犯罪の急増と、さらにはその再犯率の高さである。それは、高齢化が進むなか、孤立化・貧困化などの社会環境にも影響されるため、切実な課題となっている。本書では、第1部で「刑事司法と福祉」の視点から、我が国における高齢者犯罪の現状と対応を分析する。さらに刑事司法と福祉の連携により、高齢者の再犯率の低下などに成果をあげているドイツにおける施策の歴史的経緯や実践を紹介し、両者の比較検討を行い、我が国の制度のあり方に提言を行うものである。
目次
第1部 日本における高齢者犯罪への対応(高齢者犯罪と再犯の現状;刑事司法における高齢者への対応;刑事司法におけるソーシャルワーク ほか)
第2部 ドイツにおける高齢者犯罪への対応(ドイツにおける高齢者犯罪と再犯の現状;ドイツの刑事司法における高齢者への対応;ドイツの刑事司法におけるソーシャルワーク ほか)
第3部 高齢者犯罪への対応の日独比較と我が国の刑事司法と福祉(高齢者犯罪への対応に関する日独比較;刑事司法におけるソーシャルワークに関する提言;刑事政策の根底に組み込むべき新しい犯罪予防論―実体的一般予防と実体的特別予防)
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