内容説明
本書のテーマは、日本的経営と株式会社制度との関係を明らかにすることである。両者は、従来、各々独立して、いわば相互無関連的に議論されてきたように思われる。そこで本書は、日本的経営論とともに、広く企業の問題を論じている諸理論を取り上げ、また日本の実業界の事例も織り込むという複眠的・総合的な方法によって、このテーマの解明を試みた。そしてこうした分析から、「日本的会社」ともいうべき新しい会社制度の枠組みを提言するものである。
目次
第1部 混迷する株式会社観(株主を社員とする営利社団法人説と公開会社説;企業会計の会社観;経済学と法人税の会社観;企業資本説と企業社会組織説;混迷する株式会社体制)
第2部 日本的経営論諸説(終身雇用制;小集団活動;事業活動)
第3部 所有と支配の分離(所有と支配の分離論;米国企業の所有と支配の分離プロセス―事業の巨大化;日本企業の所有と支配の分離プロセス―財閥解体)
第4部 日本的経営論から日本的会社論へ(2つの会社観;日本企業の最先端性;日本的経営論から日本的会社論へ)