内容説明
本書は、財務諸表監査において監査契約を締結するにあたり、監査人が企業の有しているリスクを評価し、監査判断を形成する意思決定プロセスを、契約リスクという概念を用いて数学的に解明することを目的としている。そうした監査契約の締結において「契約リスク評価モデル」を明らかにすることにより、企業に対する監査人の評価は改善され、そして財務諸表監査の質が改善されるならば、財務諸表の利用者である投資家等の利益につながると期待される。
目次
序章 研究目的と課題および構成
第1章 契約リスクの基礎的概念と評価の意義
第2章 契約リスク評価の体系
第3章 契約構成リスクの判断指標となる固有リスク評価要因
第4章 契約構成リスクの判断指標となる統制環境評価要因
第5章 契約構成リスクに対するリスク軽減策
第6章 監査リスクの判断指標に対する監査人の認識
第7章 監査リスクの判断指標の数学的分析に基づく契約リスク評価モデルの構築
第8章 リスク・アプローチ全体からみた契約リスク評価
結章 研究成果と将来の課題
著者等紹介
内藤文雄[ナイトウフミオ]
1981年神戸大学経営学部会計学科卒。1986年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程単位修得退学。神戸大学経営学部助手、専任講師、助教授を経て1997年神戸大学経営学部教授。1999年神戸大学大学院経営学研究科教授に配置換(現職)。1995年博士(経営学)。日本会計研究学会評議員、金融庁企業会計審議会臨時委員、公認会計士試験第2次試験委員、日本公認会計士協会品質管理審議会委員。主な著書に『財務諸表監査の変革』、税務経理協会、2003年(日本公認会計士協会第32回学術賞受賞)、『連結財務諸表監査』、中央経済社、1999年(日本監査研究学会平成12年度監査研究奨励賞受賞)、『監査判断形成論』、中央経済社、1995年(日本会計研究学会平成8年度太田・黒沢賞受賞、日本内部監査協会平成8年度青木賞受賞)など
宮本京子[ミヤモトキョウコ]
1994年神戸大学経営学部経営学科卒。2004年神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。神戸大学大学院経営学研究科学術研究員を経て2005年上智大学経済学部専任講師(現職)。2004年博士(経営学)
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- 和書
- 東文彦全集 〈第1巻〉