内容説明
本書は、ウィーン経済大学ゲルハルト・ザイヒト教授の『貸借対照表理論』の全訳である。ドイツ語圏の貸借対照表学説すなわち財務会計論は、企業資本維持や企業利益の問題、あるいはそれらとの関係における計算構造(複式簿記)の問題など、企業会計にとっての本質的問題を理論的に探究することを特質として発展してきた。原著出版における第一の意図はドイツ貸借対照表学説の体系化にあるが、そこでは諸学説がもつ形式的側面と実質的側面について細分化が試みられ、最終的には、原著者による資本理論的貸借対照表理論が主張されている。
目次
1 序説と基礎概念
2 簿記、決算および貸借対照表評価の歴史的発展
3 これまでの経営経済学的文献における「貸借対照表理論」とその理論的説明
4 分類体系
5 貸借対照表の理論
付録 貸借対照表理論についての慣習的説明
著者等紹介
ザイヒト,ゲルハルト[ザイヒト,ゲルハルト][Seicht,Gerhard]
1938年、オーストリアのグラーツに生まれる。1972年、ウィーン経済大学経営経済学正教授。1990年に、国際的に貢献した会計学者に贈られるDr.カウシュ賞を授与。現在、オーストリア国営企業協会座長、ウィーン経済大学研究所理事をはじめ大学内外の要職についている
戸田博之[トダヒロシ]
現職、神戸学院大学経営学部経営学科教授(経営学博士)。日本簿記学会会長(理事)。日本公益法人研究学会常任理事。1961年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。1961年公認会計士第3次試験合格。1964年大阪府立大学経済学部専任講師。1966年ケルン大学経済学・社会学部に留学。1972年京都産業大学経営学部助教授を経て教授。1975年京都産業大学経営学部長。1977年京都産業大学就職部長。1985年神戸学院大学経済学部教授。1990・97・2002年ウィーン経済大学客員教授。2004年神戸学院大学経営学部経営学科特任教授。『収支的簿記体系の研究―古典的カメラール簿記の発展史的考察』(千倉書房、1988年、平成元年度日本会計研究学会太田賞、昭和63年度日本会計史学会賞)など
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