内容説明
ある経済主体の行動は他の経済主体の行動にどのように結びついていくのか?企業の会計操作に対しておこなわれる規制、また会計制度設定をゲーム理論の考え方でわかりやすく解説。
目次
ゲーム理論は会計に有効なツール
第1部 会計操作(企業による利益の操作(その1)―企業とメインバンクによるゲーム
企業による利益の操作(その2)―企業と一般投資家によるゲーム
会計が企業行動に及ぼす影響
中小企業が行う大胆な利益操作
企業会計における情報インダクタンス
税務申告と税務調査)
第2部 会計規制(会計規制の必要性;会計規制の強化(その1)―規制強化は企業にとって有利になるのか?
会計規制の強化(その2)―規制強化は投資家にとって有利になるのか?
会計規制の最適レベル)
第3部 会計制度(会計基準についての2つの見方;会計基準のコンバージェンス;会計と税務の関係;会社法における配当規制と開示規制)
付録 均衡概念について
著者等紹介
田村威文[タムラタケフミ]
1965年兵庫県生まれ。1988年大阪大学経済学部卒業。1991年公認会計士登録。1993年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。大阪国際大学経営情報学部助手、専任講師・助教授を経て、2002年中央大学経済学部助教授。2004年中央大学経済学部教授。2008年公認会計士試験委員(2011年に至る)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
16
会計的側面から見た企業の行動論のような感じで読みました。財務会計ではなく管理会計の分野の感じがしています。非常にユニークな試みであるとは思いましたが、もう少しゲームの理論の部分と会計の接点の説明を詳しくしてもらえればと思いました。ややゲームの理論という言葉だけが前面に出ているように感じました。2014/08/21
アルカリオン
9
ゲーム理論をツールとして企業会計に当てはめるという方向性はよくわかるし興味もある。しかし、パラパラ読み段階では特に魅力を感じなかった▼以下のようなステップを踏んだ方が受け入れられやすいのではなかろうか▼①ゲーム理論の枠組みを示す②企業会計のプレイヤー、ルール等を①に代入していく(この過程を明示する)③分析内容・結果を論述する▼ゲーム理論になじみのない人にはこうしないと伝わらないし、なじみのある人にとってもこのように著者の思考経路を明示したほうがすれ違いを避けられる。紙幅の問題を考えてもそうすべきだと思う。2023/07/16