出版社内容情報
アメーバ経営学術研究会[アメーバケイエイガクジュツケンキュウカイ]
内容説明
「アメーバ経営」は、京セラ創業者の稲盛和夫氏が考案した経営システムで、京セラを小さな町工場から世界的企業に飛躍させる原動力になり、1990年代以降、実務家の注目を集めるようになった。近年、アメーバ経営は、経営再建を果たしたJALでの実践や、医療介護や教育機関の場で利用できるようにカスタマイズされるなど、サービス業界における導入が進んでいる。本書は、管理会計、経営管理、組織文化、経営哲学の領域における研究者による、アメーバ経営研究の成果である。
目次
1 サービスの品質を高めるアメーバ経営―日本航空株式会社の客室サービスを変えたJALフィロソフィ
2 医療組織へのアメーバ経営の導入
3 部門別採算制度が経営理念の発現に及ぼす影響―ホテルにおけるアメーバ経営の事例
4 アメーバ経営の学校組織への導入
5 アメーバ経営の利益連鎖管理とトヨタ生産システム―日本的経営にみられる機会損失管理の典型
6 アメーバ経営と原価・収益計算構造
7 アメーバ経営の導入プロセスと導入効果―株式会社カズマの事例
8 渋沢栄一の道徳経済合一説からみたフィロソフィとアメーバ経営―公益と私利の両立をめぐって
9 京セラ・アメーバ経営と経営環境の変化―責任会計論と管理者行動の観点から
10 アメーバ経営は企業に成果をもたらすのか―導入企業97社へのアンケートに基づく実態調査
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
2
サービスの品質を高めるアメーバ経営―日本航空株式会社の客室サービスを変えたJALフィロソフィ 医療組織へのアメーバ経営の導入 部門別採算制度が経営理念の発現に及ぼす影響 アメーバ経営の学校組織への導入 アメーバ経営の利益連鎖管理とトヨタ生産システム―機会損失管理の典型 アメーバ経営と原価・収益計算構造 アメーバ経営の導入プロセスと導入効果 渋沢栄一の道徳経済合一説からみたフィロソフィとアメーバ経営 京セラ・アメーバ経営と経営環境の変化―責任会計論と管理者行動の観点 アメーバ経営は企業に成果をもたらすのか2017/06/25
M.T.
1
2006年発足の京セラ・アメーバ経営の研究会(アメーバ経営学術研究会)の発足10年、2冊目の学術書として発刊。日本管理会計学会の研究者(一橋大、神戸大中心)の歴々が執筆。 「売上の社内プロセスへの配分方法の研究」という実務上の問題意識から通読。 製造業における工程間の「社内売買」に加えて、同時性、即時性を特徴とするサービス業向けの「協力対価方式(元請け部門の設定、売上同時計上)」が考案され、病院経営やJALにも導入されていることが分かった。 ただし、売上の社内プロセスへの配分方法についての詳細は記載なし。2019/08/16
tatsuzo yamada
0
京セラで実践されているアメーバ経営の仕組についての解説された書籍や論文は多いが、ここでは他業種での展開や他社での成果等が専門家により分析されており、このような本はあまりなく大変勉強になった。 稲盛さんの「アメーバ経営」を読んだ人には是非オススメ。2017/06/26
スパナ
0
稲盛和夫さんのアメーバ経営。様々な業種でのアメーバ経営実践の本。稲盛さんは、企業の目的は全社員の物心両面の幸福を追求することだと言う。顧客を大事に考えちゃうけど、確かに、まずは社員が幸せじゃなきゃですね。世のため人のためになっていること、部門ごとの採算がわかっていること、なども大切だそうです。2022/01/28