内容説明
本書では、これまで法学者や弁護士など法律の専門家が中心となって議論・考察されてきた「コーポレート・ガバナンス」の問題を、会計学・会計理論の視座から考察している。とくに今日の社会問題となっている、賄賂・利益供与・損失補填・使途秘匿金などの不正支出に対し、ガバナンス論の枠組みを遵守しつつ、会計理論的に考察がすすめられている。
目次
わが国のコーポレート・ガバナンスと企業不正支出
第1部 企業不正に対するコーポレート・ガバナンスと内部統制(企業不正とコーポレート・ガバナンス;企業不正と内部統制組織―内部統制の不備に対する責任の所在)
第2部 企業不正支出の会計理論(会計理論に基づく不正支出の考察―不正支出の「費用性」の検証;法人税法に基づく使徒秘匿金の考察―不正支出の「損金性」の検証;不正支出の「仮払金」的性質に対する考察―「仮払計上説」の妥当性についての検証)
第3部 企業不正支出の法的責任(不正支出に対する取締役の法的責任;不正支出に対する監査役の法的責任;「期待ギャップ」と公認会計士責任)