内容説明
実践的プロジェクト型学習のエッセンス。専門用語が通じない、理解度が違う、発想が違う、意見が食い違う…多分野協働で生じる齟齬や対立を乗り越え、柔軟な問題解決能力を身につける教育手法。Needs & Ideas Forum for Well‐being(NIF)は、国立障害者リハビリテーションセンターが中心となり、医療・福祉系、工学系、デザイン系の3分野の学生の混成グループが、障害当事者のニーズを聞き取って福祉機器や自助具を試作するプロジェクトです。学生は、ヒアリングや試行錯誤を通して、障害のある人の視点に立てるようになるだけでなく、一連のプロセスの中で、自分と専門の異なる他者との協働の仕方を学び、多様性を尊重した柔軟な問題解決能力を身につけていきます。本書では、NIFでの人材育成の取り組みをもとに、プロジェクト型学習の手法や可能性と、実際に生み出された福祉機器や自助具のアイデアを紹介します。
目次
第1章 ニーズ主導によるプロジェクト型学習の目的とそこから得られる成果
第2章 障害当事者と3分野の学生による「協働」が生み出す福祉機器・自助具開発プロジェクト
第3章 学術的、教育的観点から見たNIFの特長と課題
第4章 情報共有の観点から見たNIF:当たり前のことを知る
第5章 参加学生の学び:成果報告会におけるコメントを読み解く
第6章 作品実例の紹介