出版社内容情報
近年,無線通信の分野では,携帯電話などの移動通信を行う無線局の数が著しく伸びています。また,放送の分野においてはデジタル化や多局化により,新たな時代を迎えようとしています。これらの陸上に開設される無線局の無線従事者として,あるいは,それらの無線局の無線設備を保守する,認定点検事業者の技術者として必要な国家資格が第一級陸上無線技術士(一陸技)・第二級陸上無線技術士(二陸技)です。 本書は,一陸技・二陸技の国家試験受験者のために,国家試験で出題される4科目のうち「無線工学の基礎」の科目について,合格できることをめざしてまとめたものです。 一陸技・二陸技の国家試験は毎年2回実施されており,試験問題の形式が平成8年7月期から,それまでの筆記式から選択式(択一式・補完式・正誤式)の形式になりました。そこで選択式にマッチした受験勉強の方法が必要になります。 「無線工学の基礎」の試験内容は電気物理,電気回路,半導体及び電子管,電子回路,電気磁気測定で,かなりの広範囲に及んでいます。さらに各分野で基礎的な知識と,資格によっては詳細な知識や応用知識が要求されます。そこで各分野の各項目ごとに,ここでは何がポイントかを,他分野との関連を含めてしっかりと把握していくことが必要になります。 本書では各分野のポイントを,最近の出題状況をもとにまとめてあります。出題分野が広範囲に及ぶことと紙数の関係で,十分に網羅できてはいませんが,次の点を考慮しました。・各項目ごとに,ポイントになるものは箇条書きにした。・理解を助けるための図を可能な限り多く入れた。・過去に出題された問題を整理して,広範囲の出題に対応できるようにした。 また,無線従事者国家試験には,試験免除の制度があり「無線工学の基礎」は,・認定校等を卒業した。・無線従事者の資格を有している。・無線従事者としての業務経歴を有している。・電気通信主任技術者の資格を有している。場合に免除対象になる科目で,他の無線工学A・Bや電波法規の科目よりは特典が活用できる科目です。 本書を利用して国家資格を取得することはもちろん,IT関連技術者として各分野に係る基礎的な知識の修得にお役に立てればと思います。2000年9月
著者しるす
本書の使い方
第1章 電気物理
1.1 電荷と電界
1.2 電位と電位差
1.3 静電容量と誘電体
1.4 コンデンサの接続とエネルギー
1.5 電流とその作用
1.6 電流に働く磁気力
1.7 ファラデーの法則
1.8 自己・相互誘導作用とコイル
1.9 磁性体と磁化現象
1.10 電磁波
基本問題練習
第2章 電気回路
2.1 直流回路の基礎
2.2 合成抵抗
2.3 回路解析の基礎
2.4 回路解析の諸定理
2.5 正弦波交流
2.6 交流回路の解析
2.7 交流電流
2.8 ひずみ波
2.9 共振回路
2.10 ベクトル軌跡
2.11 2端子回路と2端子対回路
2.12 過渡現象
2.13 分布定数回路
基本問題練習
第3章 半導体と電子回路
3.1 電子とその作用
3.2 半導体
3.3 pn結合とダイオード
3.4 マイクロ波用ダイオード
3.5 半導体抵抗素子
3.6 トランジスタとIC
3.7 オプトエレクトロニクス
3.8 電子放出と真空管
基本問題練習
第4章 電子回路
4.1 等価回路とバイアス回路
4.2 増幅回路
4.3 電力増幅回路
4.4 発振回路
4.5 パルス回路
4.6 デジタル回路
4.7 変調回路と復調回路
4.8 電源回路
4.9 雑音
基本問題練習
第5章 電気磁気測定
5.1 デシベルと誤差
5.2 指示計器
5.3 電圧と電流の測定
5.4 交流電流と電力量の測定
5.5 回路素子の測定
5.6 交流ブリッジ
5.7 周波数と位相の測定
基本問題練習
国家試験受験ガイド
索 引
内容説明
各章ごとに基礎学習、基本問題練習。問題を解くのに必要な事項や公式などは基礎学習にあげてあるが、特にわかりにくい内容や計算過程については、各問題ごとに解説してある。
目次
第1章 電気物理
第2章 電気回路
第3章 半導体及び電子管
第4章 電子回路
第5章 電気磁気測定
著者等紹介
安達宏司[アダチコウジ]
中央大学法学部卒業(1980)。日本工学院八王子専門学校
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