出版社内容情報
電子回路は,その処理する信号によって,アナログ回路とディジタル回路に分類できる。センサ回路は,どちらかというとアナログ回路の場合が多い。それは,光・温度・磁界・圧力など,自然界や,工学分野の物理量の多くがアナログ量であり,各種のセンサはこの物理量を検出し,アナログの電気信号に変換するからである。センサ回路は,この電気信号をオペアンプ回路で増幅し,駆動回路でモータやブザーなどを作動させることができる。
私がセンサ回路に興味をいだいたのは,応用回路でありながらそれほどむずかしくはなく,光や温度のよって回路が動作するという面白さにあったからである。これは,いまから十数年ほど前のことである。このころより現在まで,私は,神奈川県工業教育研究会機械部会の計測・電気分科会に所属し,センサ回路,マイコン制御,ポケコン制御など,多くのことを学び,経験を積ませていただいた。
また,私の勤務している工業高校機械科において,「実習」,「課題研究」という科目があるが,この中でセンサ回路やマイコン制御を取り入れてきた。
そして,2年前より,横須賀市の市民対象の学校開放講義,いわゆるオープンスクールの講師として,センサ回路を紹介し,製作・実験を担当している。
これらの経験をもとに,本書は,センサ回路とマイコン制御を基礎から学ぼうとしている方々に役立つように,以下の点に留意してまとめた。
1. Z-80ワンボードマイコンを除いて,本書のすべての回路は製作することができる。このため,回路図に素子名やICのピン番号,抵抗値,静電容量の値などを記入する。また,センサにはメーカ名も記入する。
2. センサ回路には増幅回路が必要である。このため,1章で,2章~5章のセンサ回路で実際に使用する各種のオペアンプ回路を取り上げる。オペアンプ回路の仕組み,理論を学ぶだけでなく,実験で理論を確認することができる。
3. 2章~5章で説明する各種のセンサは,どれも一般的なものであり,入手が容易である。
4. 各種のセンサ回路は,まずセンサの動作原理,材料,構造,特徴などを説明し,回路の動作手順を,実測値を交えて詳しく解説する。このため,製作した回路の実験ができ理解が深まる。
5. 6章はZ-80 CPUと周辺回路の制御実験である。この章ではマイコン制御の基礎を学ぶ。このため,まずCPUと周辺回路の関係を説明する。
6. 7章と8章は,センサ回路とA-D,D-A変換ボードを利用した制御実験である。センサ入力の方法,出力装置のON-OFF制御,A-D,D-A変換が学べる。
7. 6章~8章の中心は,アセンブリ言語によるプログラムである。プログラムを理解するため,フローチャートは図中で詳しく説明し,さらにプログラムのニーモニックの意味と対比できるようにする。
センサ回路は単独で利用することも多いが,メカトロニクス全盛の今日,センサ回路はマイコン制御の入力装置として不可欠である。このため,本書の構成は,センサ回路とマイコン制御を関連づけている。この本は,センサ回路とマイコン制御の入門書ではあるが,具体的に,製作・実験ができるように企画・執筆したつもりであり,読者の方々の技術力向上に貢献できれば幸いである。
なお,本書で扱った各種の回路を製品化し,教材として準備をしている企業があり,巻末に紹介させていただく。
最後に,企画・出版に至るまで,終始多大な御尽力をいただいた東京電機大学出版局の植村八潮氏をはじめ,関係各位に心から御礼を申し上げる次第である。
1998年12月
著者しるす電子回路は,その処理する信号によって,アナログ回路とディジタル回路に分類できる。センサ回路は,どちらかというとアナログ回路の場合が多い。それは,光・温度・磁界・圧力など,自然界や,工学分野の物理量の多くがアナログ量であり,各種のセンサはこの物理量を検出し,アナログの電気信号に変換するからである。センサ回路は,この電気信号をオペアンプ回路で増幅し,駆動回路でモータやブザーなどを作動させることができる。
私がセンサ回路に興味をいだいたのは,応用回路でありながらそれほどむずかしくはなく,光や温度のよって回路が動作するという面白さにあったからである。これは,いまから十数年ほど前のことである。このころより現在まで,私は,神奈川県工業教育研究会機械部会の計測・電気分科会に所属し,センサ回路,マイコン制御,ポケコン制御など,多くのことを学び,経験を積ませていただいた。
また,私の勤務している工業高校機械科において,「実習」,「課題研究」という科目があるが,この中でセンサ回路やマイコン制御を取り入れてきた。
そして,2年前より,横須賀市の市民対象の学校開放講義,いわゆるオープンスクールの講師として,センサ回路を紹介し,製作・実験を担当している。
これらの経験をもとに,本書は,センサ回路とマイコン制御を基礎から学ぼうとしている方々に役立つように,以下の点に留意してまとめた。
1. Z-80ワンボードマイコンを除いて,本書のすべての回路は製作することができる。このため,回路図に素子名やICのピン番号,抵抗値,静電容量の値などを記入する。また,センサにはメーカ名も記入する。
2. センサ回路には増幅回路が必要である。このため,1章で,2章~5章のセンサ回路で実際に使用する各種のオペアンプ回路を取り上げる。オペアンプ回路の仕組み,理論を学ぶだけでなく,実験で理論を確認することができる。
3. 2章~5章で説明する各種のセンサは,どれも一般的なものであり,入手が容易である。
4. 各種のセンサ回路は,まずセンサの動作原理,材料,構造,特徴などを説明し,回路の動作手順を,実測値を交えて詳しく解説する。このため,製作した回路の実験ができ理解が深まる。
5. 6章はZ-80 CPUと周辺回路の制御実験である。この章ではマイコン制御の基礎を学ぶ。このため,まずCPUと周辺回路の関係を説明する。
6. 7章と8章は,センサ回路とA-D,D-A変換ボードを利用した制御実験である。センサ入力の方法,出力装置のON-OFF制御,A-D,D-A変換が学べる。
7. 6章~8章の中心は,アセンブリ言語によるプログラムである。プログラムを理解するため,フローチャートは図中で詳しく説明し,さらにプログラムのニーモニックの意味と対比できるようにする。
センサ回路は単独で利用することも多いが,メカトロニクス全盛の今日,センサ回路はマイコン制御の入力装置として不可欠である。このため,本書の構成は,センサ回路とマイコン制御を関連づけている。この本は,センサ回路とマイコン制御の入門書ではあるが,具体的に,製作・実験ができるように企画・執筆したつもりであり,読者の方々の技術力向上に貢献できれば幸いである。
なお,本書で扱った各種の回路を製品化し,教材として準備をしている企業があり,巻末に紹介させていただく。
最後に,企画・出版に至るまで,終始多大な御尽力をいただいた東京電機大学出版局の植村八潮氏をはじめ,関係各位に心から御礼を申し上げる次第である。
1998年12月
著者しるす
1. センサ回路で使用するオペアンプ回路
1.1 オペアンプ回路の理論と実験
1.1.1 オペアンプとは
1.1.2 オペアンプの理想的特性
1.1.3 非反転増幅回路
実験1 非反転直流増幅回路の実験
1.1.4 反転増幅回路
実験2 反転交流増幅回路の実験
1.1.5 差動増幅回路の実験
実験3 差動増幅回路の実験
1.1.6 コンパレータ
実験4 コンパレータの実験
1.1.7 ヒステリシス・コンパレータ
実験5 ヒステリシス・コンパレータの実験
1.1.8 バッファ
実験6 バッファの実験
1.1.9 インストルメンテーションアンプ
2. 光センサ回路
2.1 ホトダイオード
2.1.1 ホトダイオードの概要
2.1.2 光起電力効果
2.1.3 PINホトダイオードの原理
2.1.4 無バイアス回路の実験
2.1.5 逆バイアス回路の実験
2.2 ホトトランジスタ
2.2.1 ホトトランジスタの概要
2.3 発光ダイオード
2.3.1 発光ダイオードの概要
2.3.2 GaAs化合物半導体
2.3.3 赤外発光ダイオードの発光原理
2.4 光電スイッチ
2.4.1 光電スイッチの概要
2.4.2 変調投光回路と受光復調回路
2.5 CdS光導電セル
2.5.1 光導電効果
2.5.2 CdSセルの構造
2.5.3 自動照明点灯回路
2.5.4 ソリッドステートリレー(SSR)
3. 温度センサ回路
3.1 IC化温度センサ
3.1.1 IC化温度センサの原理
3.1.2 ヒステリシス温度スイッチ
3.2 白金薄膜温度センサ
3.2.1 白金薄膜温度センサの原理
3.2.2 白金薄膜温度センサCRZ-2010
3.2.3 温度測定基本回路
4. 磁気・赤外線センサ回路
4.1 リードスイッチ
4.1.1 リードスイッチの原理
4.1.2 ACモータの駆動回路
4.2 ホール素子
4.2.1 ホール素子の原理
4.2.2 ホール素子増幅回路
4.2.3 ブラシレスモータの原理
4.3 ホールIC
4.3.1 ホールICの概要
4.3.2 DCモータの正転・逆転・ブレーキ回路
4.4 焦電型赤外線センサ
4.4.1 誘電体の性質
4.4.2 強誘電体の分極と分極処理
4.4.3 焦電体の動作原理
4.4.4 焦電体赤外線センサ回路
4.4.5 ACモータの正転・停止・逆転回路
5. 超音波・衝撃・圧力センサ回路
5.1 超音波センサ
5.1.1 超音波センサの概要
5.1.2 超音波センサの構造と原理
5.1.3 超音波発振回路
5.1.4 超音波受信回路
5.2 衝撃センサ
5.2.1 衝撃センサの原理
5.2.2 衝撃検知回路
5.3 圧力センサ
5.3.1 拡張型半導体圧力センサの概要
5.3.2 圧力センサ回路
6. Z-80 CPUの周辺回路と制御実験
6.1 Z-80 CPUと入出力用インターフェイスLSI 8255の接続
6.1.1 Z-80 CPUのレジスタ構成と入出力インターフェースLSI 8255の概要
6.1.2 CPUのAレジスタのデータを8255のAポードへ出力する例
6.1.3 8255のBポートの入力データをCPUのAレジスタに読み込む例
6.1.4 コントロールワード(CW)の求め方
6.1.5 I/Oアドレスの求め方
6.2 ワンボードマイコン,8255ボード,制御基板とポケコン制御
6.2.1 ワンボードマイコンYS-6464A
6.2.2 8255ボード
6.2.3 制御基板
6.2.4 ポケコン制御
6.3 Z-80ワンボードマイコンと制御基板による制御実験
6.3.1 LEDを4個ずつ左右に点滅させる
6.3.2 8個のLEDを順次左へ点灯移動させる
6.3.3 いずれかのスイッチOFF→ONでLEDがすべて点灯する
6.3.4 押しボタンスイッチSW0の16までの入力回数を,5個のLEDで2進表示する
6.3.5 三つのスイッチによるLEDの点灯移動制御
6.3.6 押しボタンスイッチ入力の入力回数の表示
7. センサ回路を使用した制御実験
7.1 Z-80ワンボードマイコンと各種センサ入力による制御実験
7.1.1 CdSセルによる照明点灯制御
7.1.2 変調投光回路と受光復調回路による物体の検知
7.1.3 焦電型赤外線センサによるACモータの制御
7.1.4 CdSセル,リードスイッチ,衝撃センサによるACモータの制御
7.1.5 リードスイッチ入力の入力回数の表示
7.1.6 ホールICによる磁極の判定
7.1.7 超音波センサと衝撃センサによる防犯装置
7.1.8 ヒステリシスON-OFF温度制御
8. A-D・D-Aコンバータを使用した制御実験
8.1 A-D・D-A変換ボード
8.1.1 A-D・D-A変換ボードと8255ボードの接続
8.1.2 ADC 0804の特徴と使い方
8.1.3 アナログマルチプレクサ
8.1.4 AD 558の特徴と使い方
8.2 Z-80ワンボードマイコンとA-D・D-A変換ボードによる制御実験
8.2.1 A-Dコンバータの使用法
8.2.2 IC化温度センサによるSSRの制御
8.2.3 白金薄膜温度センサによるACモータのON-OFF制御
8.2.4 マルチプレクサの使用法
8.2.5 D-Aコンバータの使用法
8.2.6 磁束密度に比例したDCモータの速度制御
8.2.7 圧力センサ回路による圧力の検出とDCモータのON-OFF制御
参考文献
本書で扱った各種の回路(完成品)やボードの入手先
索引
内容説明
センサ回路は単独で利用することも多いが、メカトロニクス全盛の今日、センサ回路は、マイコン制御の入力装置として不可欠である。このため、本書の構成は、センサ回路とマイコン制御を関連づけている。この本は、センサ回路とマイコン制御の入門書ではあるが、具体的に、製作・実験ができるように企画・執筆した。
目次
1 センサ回路で使用するオペアンプ回路
2 光センサ回路
3 温度センサ回路
4 磁気・赤外線センサ回路
5 超音波・衝撃・圧力センサ回路
6 Z‐80 CPUの周辺回路と制御実験
7 センサ回路を使用した制御実験
8 A‐D・D‐Aコンバータを使用した制御実験



