内容説明
黒江保彦少佐、桧與平大尉など数々の撃墜王を輩出した飛行第64戦隊、通称「加藤隼戦闘隊」。陸軍航空最精鋭の誉れ高いこの部隊でも、戦死後、個人感状の授与、二階級特進の栄誉に浴したのは軍神、加藤建夫中佐と、この中村三郎大尉のみであった。「捨身必殺」を信条にし、米軍の爆撃機と刺し違え24歳で戦死したこの隼エースの戦歴を、残された日記帳にしるされた当時のいち飛行将校のうそ偽りない心情を芯に、部下の隼パイロット達の証言、交戦した連合軍航空部隊の交戦記録と、二百枚近い写真で補った真実の空戦と、従軍の記録。
目次
軍神、加藤建夫戦隊長の再来
戦場に赴く航空士官学校の「お嬢さん」
杭州湾上空での遭難、初めての不時着
若き青春を捧ぐるあなた方は尊し
雲の中で迷う。頼りない編隊群長
陸軍航空最精鋭、加藤隼戦闘隊への赴任
遂に実戦出動を果たす
アキャブ防空、初撃墜「なんという生の充実感」
第2中隊、整備班長を拝命する
機眼の成長と空中射撃の冴え〔ほか〕
著者等紹介
梅本弘[ウメモトヒロシ]
1958年、茨城県に生まれる。武蔵野美術大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
18
勇ましい写真が沢山!立派な当時の若者たちの表情や姿に涙が出そうになりました。でもたった70年前、自分たちの祖父の時代の人たちです。2015/11/01
roatsu
12
高名な陸軍飛行第64戦隊にて気鋭の将校として緒戦から奮戦し、昭和19年に散華した中村三郎大尉の記録。同時期に轡を並べて戦った将兵や対戦した米英の記録も交えてビルマ地域における同戦隊の敢闘の全容も明らかにした労作。写真も多く往時のイメージをよく伝えてくれる。20代半ばで一組織の中枢で指揮を執り、多くの部下を掌握して戦う重責を担った彼の事績は卓越したリーダーシップ、人格のよき見本として現代からも顧みられるべきと思う。戦争の是非とは別に、中村大尉のように過酷な状況下で立派に行動した若者が大勢いた事を知るべき。2015/08/03
チャゲシン
1
栄光の加藤隼戦闘隊で加藤部隊長の君陶を受けた最後の士官空中勤務者、中村三郎大尉の激闘の全記録。敵味方の損害記録、日記、生存者へのインタビューから、これ以上にない詳細な実際の戦闘を浮かび上がらせる。まさに捨身必殺。戦闘機相手に被弾したらぶん殴る、爆撃機あいてに被弾しなかったらぶん殴る❗そこまでやらねば米軍機は落とせない。熱血漢中村大尉は、そして遂に南冥の空に散った。戦死後二階級特進、個人感状を受けたのは飛行第64戦隊では加藤少将と二人だけ。よくぞここまで調べあげたと言いたい力作2017/08/20
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